がん消滅の罠~テレビドラマ編
で、前回からの続きなんですが、
「がん消滅の罠~完全緩解の謎~」はTBSで4月2日の放送でした。
妻とともに先週見たのですが・・・・・
うーーーーーん、これは、ヒドイ (ーー;)
緻密な医療ミステリーは一転、荒唐無稽なストーリーになってしまっていました。
ツッコミどころや文句多すぎて、どこから書けばいいのやら。
まあ、最大の問題点は本来シャーロック・ホームズ役の羽島が主人公であるところを、
唐沢寿明演じる夏目医師が主人公になるように脚本を書きかえちゃったところでしょうね。
唐沢寿明のキャスティングについてはまったく文句ありません。
むしろ、ピッタリだと思いますが、羽島役の渡部篤郎は違和感有りまくりだし、
西条先生役が北大路欣也ってのは、全くあり得ないでしょう。
キャラも原作と全然違っています。
そもそも、オープニングの警察に追われるシーンからして、
どこにこんな場面あったっけ、という嫌な予感がしてたのですが。
病院の医師たちの言動やリアクションも現実とかけ離れ過ぎており、
あんな医者はいねえ、あの反応はありえねえ、ばっかし。
警察の動きもおかしいし、湾岸医療センターも不自然過ぎ。
その夏目医師を糾弾する上司、「テキサス」の演技も不自然過ぎ。
原作では「アレルギー疾患の治療」とぼかされていた、免疫抑制剤の投与も、
ドラマでは「アレルギー性鼻炎の治療」になっており、アリエナイ。
おまけに夏目の奥さん、「自殺装置」つきのがんにされちゃうのだが、
ここに問題発生。
この第2のプロットは「初期のがんを完全に切除したうえ」で、
そのがん細胞に「自殺装置」を組み込んで再移植する、という話だが、
この奥さんは手術してない。
人間ドックでみつかった組織検査のがん細胞に「自殺装置」を組み込まれているので、
つまり「自殺装置」の組み込まれていない方の元のがんがまだ残ってる、
ということですよね。
これでは、自殺スイッチ薬を投与しても原発巣がある限り彼女のがんは治らない。
これ、最大のミスポイントですね。
杜撰すぎます。
校正はいらなかったんでしょうか。
脚本書いた放送作家は、何のお咎めもないでしょうけど、
もし医者がこんなイージーなミスをしたら
訴えられ、裁判に負けて多額の賠償金を負わされ、
信用を失って完全に医師としてやっていけなくなります。
妊娠中の女性に「念のため」CT検査をしちゃうのもおかしいし、
西条先生を「犯罪」に走らせたエピソードもそっくり欠落していました。
胞状奇胎の話がカットされたのは倫理的な判断かも知らないけど、話が薄くなりました。
時間が無いから仕方がない、とはいうものの、
その分、あらぬ容疑をかけられた夏目医師が
パトカーに追われるシーンなど原作に無いわけで、
どうも、無理やり陳腐な「サスペンス劇場」のスタイルに
押し込もうとしてるとしか思えない。
原作者の岩木氏は、どう思ってるんでしょうか。
納得してるはずは、ないよなあ。
やはり医療モノは地上波ではムリなのか。


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