ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.04.27

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その1

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 最近、問い合わせの多い「肺炎球菌ワクチン」ですが、
ここで、ご説明しましょう。
 今回から数回にわたってご説明しますので、
興味のある方は、是非お読みください。
第1章 肺炎球菌とは
 私が、医学生の頃「細菌学」の授業の最初に聞いた話です。
 その、最初に教授が言ったことは、
「諸君は細菌というと、赤痢菌やペスト菌を連想するだろうが、
そんな菌に日常遭遇することはまずありません。」
 要するに「細菌」には3つのグループがあり
①体に入れば必ず病気を起こすもの(赤痢菌、ペスト菌etc.)
②通常は病原性を持たないもの(いわゆる常在菌)
③場所によっては「常在」するが、臓器に進入して病気を起こすもの
に分けて考えることができる。
 我々が通常の臨床で遭遇するのは③のグループの菌が多い。
 そんなわけで、講義の第1回は 「黄色ブドウ球菌」 だった。
んで、次に習ったのが「溶連菌」として有名な 「溶血性連鎖球菌」。
 もう、30年も前の話だが良く覚えています。
 肺炎球菌は、この③のグループに属する菌で、
その名のとおり「肺炎」の原因菌としては最重要ですが、
ヒトの鼻咽腔に「常在」することがあり、特に幼小児と老人で問題になります。
「中耳炎」の原因菌としては頻度がもっとも多い菌です。
 肺炎球菌が引き起こす病気として、もっとも危険なのは
「細菌性髄膜炎」 です。
 発症率は 5歳未満の10万人に2.9人 といわれていますが、
3分の1程度は死亡や重い後遺障害が残るといわれており大変危険です。
「細菌性髄膜炎」の原因としては「インフルエンザ菌B型(ヒブ)」の方が
頻度は高いですが、重症度は肺炎球菌のほうが高いといわれています。
 次に 「菌血症」 があります。
 発症率は 5歳未満の10万人に328人
 菌が血液の中に入ることによって多くの臓器にうつります。
 そしてもちろん 「肺炎」 です。
これはぐぐっと頻度は上がります。
 で、「中耳炎」 ですが、これはさらに3桁くらい頻度が上がります。
 まあ、そんなわけで「肺炎球菌感染症」を日頃一番診てるのは我々耳鼻科医なんです。
 毎日のように、
「うーん、こりゃ、肺炎球菌ですね、」
というセリフを口にしてます。
 肺炎球菌はインフルエンザ菌と並んで急性中耳炎の2大起炎菌ですが、
インフルエンザ菌と比べて、臨床症状が激しいのが特徴ですね。
 そして、その「肺炎球菌」が、近年、大きく変貌しています。
 ~第2章に続く
 次回は近年の肺炎球菌の問題点についてお話します。
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