ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.08.26

「加熱式タバコ」と「電子タバコ」

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禁煙セミナーはもう何年も前からやっているので、

今までの資料を基にスライド原稿を作るのだが、

今回大幅に変更した部分に「新型タバコ」の話がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いわゆる「アイコス」関係で、

最近は外来でもタバコ吸っていますか、という質問に

「アイコス吸ってます。」

と答える方も多く見受けられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなわけで、ここのところだいぶ勉強しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、新型タバコは大きく「加熱式タバコ」と「電子タバコ」に分類されます。

これは、タバコの葉を使っているかいないかの違いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「加熱式タバコ」は、タバコの葉の加工物を加熱して蒸気を発生させるもの、

「電子タバコ」はカートリッジのリキッドを加熱して蒸気を発生させるものです。

リキッドにはいろいろなものを混入でき、ニコチンを入れることもできます。

ところが、日本ではニコチンリキッドは使用禁止ですので、

日本で販売されている「電子タバコ」にはニコチンは入っていないはず。

いっぽう「加熱式タバコ」は、当然ニコチン入りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリップモリス社の「アイコス」

JT(日本たばこ)の「ブルームテック」

ブリティッシュアメリカンタバコ社の「グロー」は

いずれも「加熱式タバコ」でニコチン入りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本ではタバコの葉を使う「加熱式タバコ」は

「タバコ事業法」の規制を受け、所轄は財務省。

いっぽう「電子タバコ」は「薬機法」の規制を受け、所轄は厚労省。

「薬機法」は正式には

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

というやたら長い名前の法律で、かつての「薬事法」が改訂されたものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「加熱式タバコ」は新種のタバコだから、ということで

日本ではすぐ許可されました。

なにしろ財務省の管轄ですからお金が入ればOKということで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いっぽうの「電子タバコ」は日本で売っているものは

「薬機法」に触れるので「ニコチン入り」は許可されていません。

ニコチン入りでないと、依存症患者は満足できませんから、

日本ではアイコスなど「加熱式タバコ」が急増中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いっぽう、「アイコス」は本国アメリカでは発売禁止でした。

その理由はFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)

が、「健康に対するリスクが軽減されているとは認められない」

との見解を出したためです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、今年5月、FDAがアイコスの発売を承認した、というニュースが

フィリップモリス社から発表になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FDAの発表の文章は、大変長く歯切れの悪いモノですが、

要旨としては、

①加熱式タバコは有害物質を含み紙巻きタバコと同じように健康に影響を及ぼす。

②よって、この製品に対し、若者のアクセスや露出を防ぐために厳しいマーケティング監視を行う。

③ただし、加熱式タバコは紙巻きタバコより有害物質の含有量が少ないので

公衆衛生上有益であると判断。

④加熱式タバコのニコチン含有量は紙巻きタバコと同程度なので、

紙巻きタバコ常用者が加熱式タバコに完全移行できる可能性を示唆する。

⑤今後、科学的調査、マーケティング調査を継続し、

公衆衛生上適切でないと判断された場合、許可を取り消す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この背景には、現在アメリカで爆発的ブームになっている

電子タバコ「Juul」の影響があるようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「Juul」はリキッドを加熱する電子タバコ。

アメリカではニコチンリキッドが使用可能なので、

これが高校生を含む若者に流行し問題になっています。

しかも、タバコではないのでタバコのような広告規制がかけられない。

これに歯止めをかけようとしたという見方もできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、FDAのタバコ反対派の会長が辞任したため、

という報道もされております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どちらにせよ、大事なことは

新型タバコによって新たなニコチン依存症患者を増やさない、

ということが重要なポイントでしょう。

この点については、またお話します。

 

 

 

 

 

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