ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.01.13

チューブ留置術とプラモデル

 昨年1年を振り返ると、

眼が悪くなって、粘液嚢腫や、副耳の手術はやめたいっぽう、

子供の鼓膜チューブ留置は、他院で治らなかった中耳炎や、

遠方からの来院者などで、なんか多かった印象。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に秋からはかなり反復性に自壊を繰り返す、重症例も多く

20耳近く、局麻の子供のチューブ留置を行ったような・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これはなんでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はこの白いプラスチックのケースは、

鼓膜留置用のチューブが滅菌されてはいっていたケース。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空のケースをとっておいて、

このようにプラモデル用のビスやナットを入れるケースに流用しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッと蓋ができるので、実に都合がいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、お正月はこれをやっつける予定でした。

ていうか、「着工」は12月初旬で、年内完成の計画だったのですが、

さすがに12月は忙しくてほとんど進まず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどのネジ類はこのビッグスケールモデル用のネジだったのです。

実はこれを完成させると

19台あるタミヤの1/12のF1モデルシリーズをコンプリートすることになります。

(バリエーションモデル及びF1以外のカーモデルを除く。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供のころからの夢が、もうすぐ叶いそうでしたが、

お正月中はここまででした。

その後、先週、完成しましたので、後ほどアップします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019.12.20

抗生剤の使用目的

いったい日本の医者のうち、どれくらいの割合が

抗生物質を使うとき、対象となる原因菌の種類を想定してるんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他科のことは知らないが、耳鼻科領域では

想定される菌はある程度限られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの人が誤解していることだが、

細菌感染とは、誰かにもらった菌が発病することよりも、

普段自分が「飼っている」菌が、

何らかの機転で感染症を起こすことの方が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえば、傷が化膿した、などという場合は、

皮膚の表面にもともといる菌が繁殖するのだから、

想定される菌は「黄色ブドウ球菌」が最も多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中耳炎や副鼻腔炎は鼻腔内にいる菌が

無菌的な中耳腔や、副鼻腔に侵入し、増殖して起こるので、

鼻の中にいる「肺炎球菌」「インフルエンザ菌」「モラクセラ」

のどれかであることがほとんどなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口腔内はもともと菌がいる環境なので、

そこで増殖するのは侵襲性の強い「溶連菌」が多いのだが、

「溶連菌」にしても咽頭、鼻腔、皮膚に常在することがある細菌です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扁桃周囲膿瘍や急性副鼻腔炎において、

しばしば「嫌気性菌」が起炎菌になることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぺプトストレプトコッカス、フソバクテリウム、バクテロイデスなど、

普段はお目にかかることのあまりない菌が、

嫌気培養すると起炎菌として検出される。

通常の検査では検出されないので、

嫌気性菌を疑って検査する必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつらは、どっから来たのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてことはない、これらもワレワレが普段「飼ってる」菌なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細菌はウイルスと違い細胞外でも自活できるので、

ワレワレは体の内外のいたるところにそいつらを飼っています。

だが、微生物というものはすべからく1匹や2匹では何もできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一定の条件のもとに急激に、大量に増殖する場合に、

宿主の身体になにか危害を加えることがあり、

それを「感染症」というのわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペスト菌やコレラ菌は病原性、侵襲性が高く、

少数でも侵入したら要注意だが、

ワレワレが日常相手にする細菌感染は

そういった「顔なじみ」の菌によって起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、その知ってる菌のうち、

今回はどいつが悪さしてるかを推定し、

抗菌剤を選択することは、感染の起きている場所と症状を考えれば、

それほど難しいことではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえば、鼻腔に常在し、急性中耳炎や副鼻腔炎、

ときに気管支炎、肺炎の原因菌となる頻度の高い肺炎球菌、

これらは現時点では7~8割がマクロライド系抗生物質に対して、

耐性です。

つまり、効かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪のたびにクラリスやエリスロマイシンを出す内科、小児科医は、

そのこと知ってるんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪はウイルスなのでクラリスやエリスロマイシンは全く効かないばかりか、

そういった抗生剤の投与により、

それに対して耐性を持つ肺炎球菌が一層元気になって、

中耳炎、副鼻腔炎などの二次感染を起こしやすくなる、

ということを考えたことがあるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに、そういった無意味な抗生剤を出すことが、

世の中の薬剤耐性菌を増やすことにつながるということを

わかってるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワレワレの身体にはいろんな菌が常在していて、

それらはお互いけん制し合い、また体の免疫機構もあるので、

特定の菌が爆発的に増えることは無いが、

抗生物質でライバルの菌が死んでしまえば、

生き残った菌はのびのびと増殖することができ、

二次感染を引き起こすのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院ではなるべく細菌の培養検査を行い、

薬歴を見、また、兄弟から分離された菌検査の内容を参考にして

原因菌にアタリをつけて、抗生剤を処方します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たぶんこの子の中耳炎は肺炎球菌だろうなあ、とか、

先週まで、この薬を飲んでいたのでモラクセラが出そうだ、とか。

ずっと〇〇小児科にかかっていたから

多分出るのはPRSPかBLNARだろう、とか・・・・・。(^_^;)

かなり、当たりますよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、今日も鼓膜切開したり、

チューブ入れたりの年末なのであった。

 

 

 

 

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2019.12.04

日帰り鼓膜穿孔閉鎖手術

 先月11月2日の土曜日に来院された患者さん。

住所は、栃木県壬生町。

だいぶ遠方、クルマで1時間半近くかかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 受診理由は、鼓膜穿孔の閉鎖術希望です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょうど1年くらい前、風邪をひいてハナをかんでいたら

左の耳が痛くなり、やがて耳垂れが出てきた。

近くの耳鼻咽喉科で中耳炎と言われ治療。

耳漏は止まったものの、鼓膜穿孔が残ってしまったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく、経過を診てもらっていましたが、

穴がふさがらないので、入院手術目的で総合病院に紹介します、

と言われたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入院、全身麻酔の手術に抵抗があったところ、

当院のホームページを発見、

局麻日帰り手術希望で来院されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 診てみると、このとおりけけっこうしっかり開いてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 穴も大きいし、鼓膜も薄そうなので、

閉鎖できるかどうかは確証がないけれど、

ともかくご本人の希望が強いので、閉鎖術を施行しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日を改めて来ていただき、

鼓膜麻酔液で鼓膜を麻酔したのち、

針状の器具で鼓膜穿孔周囲をぐるりと切り取り、

新鮮な傷を作ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこに火傷などの皮膚損傷の時に使うシートを

小さく切って載せ、蓋のようにします。

10分かそこらでできちゃうので、通常の外来の合間にやります。

あとは、そのシートに沿って鼓膜が再生するのを待ちます。

術後はこんな感じ。

8角形みたいに見えるのがシートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、4週後、つい先日来院していただき、

シートを外してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上手い具合に穴は完全にふさがりました。(^O^)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これでもう大丈夫。

患者さんにも大変喜んでいただき、スマホで写真撮ってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この手術は鼓膜の再生力がかかわってくるので、

同じ手術をしても塞がる例と、塞がらない例があります。

手術直後には結果がわからないので、

再診の時はちょっと緊張しましたが、ホッとしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実は、今回の手術のあと、

以前お話した鼓膜再生キットがようやく発売されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回は使わずに成功しましたが、

今度機会があれば、この新薬を使ってみようかと思っています。

 

 

 

 

 

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2019.09.30

急性乳突洞炎へのコメントについて

 ムカシの記事「急性乳突洞炎の話」に今朝コメントが入りました。

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大変参考になりました。ありがとうございます。

実は一週間前から左側の耳後ろの腫れに気づき様子を見ていましたが、

一日一日腫れが広がり始めたので、

今日urgent careで医師に診察してもらったところ、

乳様突起炎ではないかと。

早速処方された抗生物質を飲み始め、

耳の専門医へは明後日に既に予約を取っています。

実際のところ、いつ頃から腫れ始めていたのかはわからず、

左首に湿疹ができそれを鏡でチェックしていたところ

偶然気付いた訳です。

昨日から右耳の後ろも腫れてきているようです。

両方の耳に感染しているということでしょうか?

これはかなり重症であるということでしょうか?

手術は避けられないことになるでしょうか?

診断後でかなり動揺して不安になってますので、

一方的な質問で大変申し訳なくと思っております。

アメリカロスアンゼルス在住の女性です。

宜しくお願い致します。。

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  ロサンゼルスとの時差はマイナス16時間。

投稿されたのは午後2時半ということですかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 診察しなければわからないとはいえ、

印象としては「急性乳突洞炎」の可能性はあまり高くないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、文脈からご本人の症状と思われますが、

急性乳突洞炎は、ほぼ小児の病気です。

乳突洞の発育が進んだ大人には、

真珠腫性中耳炎がある場合を除き、通常起こることはまれで、

しかも両側に起こることはあまり考えられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 乳突洞は骨の奥の無菌的な部分ですから、

感染経路は中耳から乳突洞口経由ですから、

かならず中耳炎が先行します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳痛、耳閉塞感、あるいは耳漏などの中耳炎症状なく、

耳の後ろの腫れから始まることはありません。

コメントには中耳炎症が一切記載なく、

いつから腫れたかわからないようなご様子ですので、

やはり、急性乳突洞炎の疑いは低いのではないのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳の後ろの腫れで、最も多い疾患、病態は、

外耳炎あるいは慢性外耳道湿疹による耳後部リンパ節腫脹です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 綿棒や、耳かきを多用していませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳掃除をし過ぎると、外耳道皮膚が炎症を起こし、

慢性になると耳の後ろのリンパ節が腫れます。

耳の後ろの皮膚は皮下組織が少なく薄いので、

リンパ節の腫脹が目立ちやすいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頭皮内のおできや、虫刺されなどでも

この部のリンパ節が腫れる場合があります。

首の湿疹があったとのことなので、

この炎症が関係している可能性もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、その他思わぬ病気のこともありますので、

専門医に診てもらうことはよろしいかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えーと、ロサンゼルスは今は午後9時ころかなあ。

 

 

 

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2019.09.02

小児の鼓膜切開

鼓膜切開で、もう一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼓膜切開は耳鼻咽喉科医の基本的な手技で、

耳鼻咽喉科医であれば誰でもできなければいけない小手術であるが、

小さい子供さんの鼓膜切開というと

やらない先生も結構いるようだという話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当ブログを読んで難治性中耳炎のために

遠くから来院される方も珍しくなく、

これは鼓膜切開した方がいいから地元でやってもらいなよ、

というと、居住地の近くで何軒か調べたが、

どこもやってくれない、ということだったりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院で行ってるような局所麻酔下の鼓膜チューブ留置は

特殊技術かも知れないが、

耳鼻科の看板上げといて鼓膜切開くらいはしなくてどうする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反復性中耳炎の3歳の子。

ハナの治療続けても、耳管通気をしても耳が治りません。

右の鼓膜は飴色に水がたまり

中央部が陥凹して接着しているのがわかります。

上鼓室の陥凹も高度です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 左の耳です。

こちらも飴色、陥凹あります。

接着はなく陥凹のみ、上鼓室の陥凹も右ほどではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 右耳鼓膜切開後。

鼓膜が透明になり、陥凹していた部分が持ち上がっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 左側切開後。

色は良くなり鼓膜の陥凹もなく、上鼓室の陥凹も改善しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 右切開孔が閉じました。

水はなく、接着はありませんが鼓膜陥凹は始まっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 左側は穴が閉じても良い状態をキープしています。

上鼓室陥凹もなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ治療途中ですが左側はこのままいけそうです。

右側は通気で鼓膜の状態がキープできれば何とかなるでしょうが、

場合によっては再び切開します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このように適切な鼓膜切開によって、

かなりの中耳炎はコントロールできます。

繰り返し切開しても治癒しないお子さんの場合は、

外来でチューブ留置を行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鼓膜切開を1回もしないで

いきなりチューブ入れるなんてことは、まずありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 治らない中耳炎を延々と通わせたり、

鼓膜切開もしないで総合病院に手術目的で紹介しちゃう耳鼻科の先生、

ちゃんと鼓膜切開をしてあげましょう。

もしくは、親御さんも鼓膜切開について、

主治医に訊いてみるべきです。

 

 

 

 

 

 

 

 

1件のコメント
2019.08.31

鼓膜切開

鼓膜切開は耳鼻咽喉科医が日常行う基本的な手術です。

古くからある治療法であるが、

やっぱ、スバラシイなあと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

60代の女性の方、半年前から耳の塞がった感じで聴こえが悪く、

耳鼻咽喉科に通院していたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初にかかったX耳鼻科で経過が思わしくなく、

Y耳鼻科に転院、そこで半年近く毎週1,2回通院していたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X耳鼻科では中耳炎といわれ、初診の時に耳に針を刺したという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、鼓膜穿刺といい滲出性中耳炎の基本的治療手技です。

なので、中耳炎は滲出性中耳炎だった、ということが推測されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、経過が思わしくなくY耳鼻科に転院しました、とのこと。

訊けば刺しても刺してもまた水が溜まってしまったらしい。

これも、よくあることです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてY医院では突発性難聴の診断。

これは患者さんが言うので確かではありませんが、

お薬手帳を見るとムコダイン、メチコバール、アデホスとあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムコダインは滲出性中耳炎の治療でも使うクスリ。

あとの2剤は突発性難聴などの感音難聴でも使いますが・・・。

Y先生には「ワタシは針は刺さない主義です。」といわれ、

延々と通気とネブライザー療法をしていたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

診察すると、右耳には浸出液がいっぱいで、滲出性中耳炎の所見。

滲出性中耳炎も初期には薬剤や通期で抜けることもあるが、

1,2か月以上変化なければ水を抜くのが基本です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なので、そのことを説明し、その場で鼓膜切開を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼓膜麻酔をし、切開するとサラサラの透明な水が吸引されます。

予想通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼓膜切開の穴から極小の吸引管で浸出液をすべて吸引し、

いったんは空っぽになりましたが、

そのまま顕微鏡を見ていると、またじわじわと水が溜まってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが最初に耳鼻科で鼓膜穿刺しても良くならなかった原因です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人の場合、中耳腔は上鼓室を通じて

耳の後ろの側頭骨内の乳突蜂巣と呼ばれる空洞につながっています。

簡単に言えば、「次の間」があるということです。

滲出性中耳炎の経過によっては、

その連続した空洞まで水が溜まってしまうことがしばしばあり、

中耳の水を抜いても、「次の間」にたまっていた水が流れ込むことにより

またすぐ中耳を満たしてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局この方は鼓膜切開の穴から水を吸いだす作業を

水がたまらなくなってくるまで10回以上繰り返しました。

その間、顕微鏡をにらみながら数分間。

患者さんにもカメラでたまってくる様子を

ライブでみてもらい説明しました。

鼓膜穿刺では針刺して吸引したら針を抜いてしまうので

続けて吸引できないのが弱点。

また、鼓膜切開はしばらく穴が残存するので、

大気圧がかかり再貯留を防ぐこともできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の経過は良好で、しばらく穴が残存して

2週間後に診たときは穴が閉じていましたが

再貯留はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に診た耳鼻科の先生も繰り返したまるのをみれば

いずれ鼓膜切開をしたでしょうが、

患者さんの負担を考えて、まずは鼓膜穿刺にしたのでしょう。

そのままX耳鼻科にかかっていればよかったのに

鼓膜穿刺や鼓膜切開のできない病院に行ってしまったのが残念でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数回の通院で治ってしまえば、病院の収入は少ないですが、

患者さんはラクです。

やっぱ、メニューは公開すべきだよなあ。

 

 

 

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2019.08.08

鼓膜穿孔閉鎖術に対する新薬が承認されました。

ようやく待ちに待ってた知らせが届きました。

医薬品第一部会:初の鼓膜穿孔治療剤が登場~新薬3軒の承認を了承

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう4,5年以上前、とある学会で

この薬の開発に携わっている先生の講演を聴いて以来、

発売をずっと心待ちにしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時の発表でかなりいいデータが出ていたので、

承認、発売も早いのではないかと思っていましたが、

意外に時間がかかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外傷や、中耳炎、鼓膜チューブ留置後などに

鼓膜に穴が開く、もしくは開けることはしばしばあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼓膜は本来再生能力を持っているため、

多くの穿孔は自然に閉鎖しますが、

時に塞がらず残ってしまうことがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閉鎖を妨げる因子としては、感染(耳だれ)と、

反復、遷延する中耳炎のための鼓膜の菲薄化があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのような場合、鼓膜穿孔閉鎖術が必要になりますが、

外来で局所麻酔化にできるものもありますが、

鼓膜の状態が悪かったり、穿孔の大きなものは

入院し、全身麻酔で手術することになり、

患者さんにとって大きな負担でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子

(basic fibroblast growth factor:bFGF)とは

ワレワレの体も持っている

細胞の修復活性や血管修復などを担う因子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを製剤化し、スポンジ等で鼓膜に圧着させることにより、

再生の止まってしまった鼓膜穿孔の再生を促すというもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これにより、外来、局所麻酔下の手術で、

鼓膜穿孔を閉鎖できるケースがかなり広がると期待されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院でも局所麻酔で鼓膜穿孔閉鎖術を行っていて、

穿孔が閉鎖できる場合も多いのですが、

どうしても、外来ではムリ、という方には、

病院を紹介していますが、

入院してまではやりたくない、という方がいらっしゃるのも事実です。

また、年齢や合併症の関係で全身麻酔の手術が困難な方もいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この薬の導入により、そのような方にも外来での手術が可能になります。

発売の際にはぜひ使ってみたいと思いますので、

また、詳細がわかりましたらお知らせしますねー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019.07.24

オグサワとは

 オグサワとは、何か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっと前に、バドミントンにオグシオという美人ダブルスがいまして、

小椋さんと、潮田さんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 では、今度はオグラさんと、サワムラさんか誰かのペアかというとさにあらず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、抗生物質の処方で、しかもウラ処方。

オーグメンチンとサワシリンを同時処方することの「隠語」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーグメンチンとサワシリンは

どちらもアモキシシリンというペニシリン系の抗生物質が主成分です。

サワシリンはアモキシシリンのみ、

オーグメンチンはアモキシシリンとクラブラン酸という薬剤の合剤です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これを同時に処方するということはどういうことか、

ということを理解するためには耐性菌の話からしなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このブログでも再三にわたって耐性菌のお話は書いてきましたが、

細菌が抗生物質に対し耐性を獲得する仕組みにはいくつかありますが、

β―ラクタマーゼという酵素を介する方法があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 臨床で良く用いられるペニシリン系やセファロスポリン系の薬剤は、

β―ラクタム環といういう基本構造を持っています。

サワシリンも、メイアクトも、フロモックスもセフゾンもみんな基本構造は同じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのβ―ラクタム環を壊しちゃうのがβ―ラクタマーゼで、

インフルエンザ菌(ウイルスではなく)やモラクセラという菌の中に、

この酵素を出して、抗生物質から命を守る、という奴らが出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、そのβ―ラクタマーゼを阻害するのがクラブラン酸という薬剤で、

これによって細菌の出すβ―ラクタマーゼが無効になり、

ペニシリンが、細菌を殺菌できる、という仕組みです。

なんとなく軍拡競争みたいですが・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、最近の細菌は(ダシャレではなく)

全体に抗生物質に対する抵抗性が強まっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、従来のペニシリンの量では十分に殺菌できないケースが増えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは特に子供の急性中耳炎の治療の場で問題になり、

2006年に発売されたのが「クラバモックス」という抗生物質です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、アモキシシリンとクラブラン酸の合剤で、

その意味では、「オーグメンチン」の小児用ですが、

特徴はアモキシシリンの量が従来の約3倍になっていることです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アモキシシリンは添付文書では、

体重1キログラム当たり20~40mgで使いなさいと書いてあります。

なので従来は平均30mg/Kgを目安に使っていましたが、

幼小児の急性中耳炎には効かないので、

クラバモックス発売前はワタシは倍の60mg/Kgで処方していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところが、クラバモックスのアモキシシリンは90mg/Kgに設定されていたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、ワタシなど耳鼻科医にとっては待ってましたのクスリで、

発売当初、ワタシはクラバモックスの使用量が県内ナンバー1だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、子供はそれでいいとして、錠剤を飲むオトナの場合です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「オーグメンチン」はクラブラン酸が入っていますが、

アモキシシリンの量は1錠あたり250mgで従来量です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これを、クラバモックス並の従来の3倍量に持って行くためには

オーグメンチンを1回3錠、1日9錠飲めばいいわけですが、

クラブラン酸はそのままで十分なので、アモキシシリンの量だけ増やしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それで、1日量をオーグメンチン3錠とサワシリンを従来の倍量の6錠とすれば

クラバモックスとほぼ同じ比率になる、ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳鼻科領域では大人の急性中耳炎はそれほど多くないので

たぶん考えたのは、呼吸器内科の医者だと思います。

はじめて、お薬手帳でこの処方を見たときは、何じゃこりゃ、と思いましたが、

ちょっと考えたら、すぐ理屈がわかり、

なるほど、コイツ頭いいじゃん、と思いましたが、

あとで、他の医療記事で見かけたので

多分その先生が考えたものではなく

どこかで見たか聴いたかしたものでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、あくまでウラ処方で、能書きとはあっていませんから、

アタマの固い、あるいは抗生剤に無知な審査官がいたら、

保険適応通らず査定の対象になります。

時々いるんだ、そういうジジイが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに「オーグメンチン」は1種類しかありませんが、

アモキシシリンはメーカーによって「サワシリン」「パセトシン」など

いろんな商品名があります。

まあ、「オグアモ」「オグパセ」よりは「オグサワ」が語呂が良いですね。

 

 

 

 

 

 

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2019.05.16

耳鼻咽喉科領域の内服薬と食事:その1

 処方された薬は、お医者さんの指示通り飲むのが正しい。

もちろんです。

指示通り飲む分には問題ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ですが、指示通りでない場合はどうなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 例えば、毎食後のクスリは、必ず食後でないとマズイのか?

効かないとか、さらに副作用などの有害な事象が発生するのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 扁桃炎で、抗生剤が出たのだが、

ノドが痛くて食事ができなかったので

食後内服のクスリ飲みませんでした、という人が実際にいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これでは、良くなるはずもないので、

以後、急性扁桃炎などで嚥下痛の強いヒトには、

食事摂れなくても確実に飲んでください、

と一言添えるようにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、お子さんの場合で、

急性中耳炎で抗生物質が1日3回で出たのだが、

幼稚園で昼間飲めないので朝晩で飲んでいた、

とか、夜ごはん食べないで寝ちゃったので、2回しか飲ませられなかった、

というケースがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これも、ダメダメです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 抗生物質は、細菌を殺す薬、投与量は1日量で決まっています。

仮に、3回のクスリが2回分しか飲めなかった場合、

抗菌力が不足して十分に殺菌できないだけでなく、

感染が遷延化する間に、

薬の効きづらい耐性菌が増えてしまう可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セキ止めや、痛み止めなどの「対症薬」はクスリが切れてる間

セキが増えたり、熱が上がったりするだけですが、

こと抗生剤は相手が「生き物」なので、

「手負いの状態」にすると厄介です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 抗生物質は食事に関係なくて結構ですから、

1日3回きちっと飲ませてください、とお話します。

幼稚園で昼食後が飲めない場合は、朝、帰宅後夕方、寝る前、

で飲んでいただくように指導します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じような意味で、

子供さんがクスリを飲ませたらすぐべーってだしちゃたとか、

いくらもたたないうちにはいちゃった、という場合も

そのまま、もう一回全量を飲ませてください。

半分くらいは飲めたかな、と思っても全量でけっこうです。

内服の抗生剤は安全域がたっぷりあるので、

仮に2倍量飲んでも何も問題はありませんが、

半量ですと、抗菌力不足で有害な場合があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ほとんどの抗生剤は、食事による抗菌力の影響をあまり受けないので、

まず、全量をしっかり飲む、ということを心がけてください。

ただ、場合によっては胃粘膜を荒らす場合がありますので、

多めの水とともに飲むのが推奨されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、次回は最近みかける「空腹時内服」のクスリのお話をします。

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2018.11.09

マイコプラズマについて

立冬を迎え、冬型の風邪が流行ってきました。

 

 

 

 

 

この時期、セキの風邪が多いのですが、

子供連れたお母さんが

「保育園でマイコプラズマが出てますので・・・。」

などと言ってくることが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、またヘンな情報が出回ってるな・・・。(^^;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイコプラズマはこの時期はやる「セキの風邪」の一種です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自然に治る病気なので軽度の気管支炎の時は

特に小さいお子さんの場合には原則的に抗生剤を使う必要はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時に重症化して肺炎などを起こす場合には、

抗生剤を使用しますが、第一選択はマクロライド系の抗生剤、

ジスロマック、クラリス、エリスロマイシン等です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、最近はマクロライド耐性のマイコプラズマが多いので、

2~3日たっても解熱しない場合は、

オゼックスなどキノロン系の抗生剤に変更します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切なことはマイコプラズマが疑われた場合、

状況にもよりますが、すぐ抗生剤を使わない、

ましてやいきなりオゼックスなんかを投与してはいけない、ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイコプラズマは細菌の一種ですが、

他の細菌に比べサイズが小さく細胞壁をもたないので、

通常の細菌感染とは違ったふるまいをします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、通常の培養検査では検出されず、

血液検査による抗体価の変動のほか、

最近は咽頭からの迅速検査キットも発売されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マイコプラズマは細胞壁をもたないので、

細胞壁を破壊することによって連鎖球菌や、肺炎球菌を殺菌する

ペニシリン系、セフェム系などの薬が効きません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただし、マイコプラズマは肺炎球菌や溶血性連鎖球菌などと違って、

菌の増殖そのものが体に害を与えるわけでは無く、

侵入したマイコプラズマに対する免疫応答、

すなわち体の防衛機構が産生するサイトカインという物質が炎症症状を起こすのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よって、免疫応答がまだ十分でない幼小児ではおおむね軽症で自然治癒し、

むしろ学童期から成人の場合により重症化する場合が多い、という病気です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、高校でマクロライド感染症が流行すれば、ちょっと注意が必要だが、

保育園ではやったところで大騒ぎすることはない、

ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一選択のマクロライド系抗菌剤ですが、

これはマイコプラズマにある程度の効果がある一方、

現時点で小児の中耳炎の最も重要な原因菌である肺炎球菌に対しては、

7~8割がマクロライド耐性株のため、無効です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マイコプラズマが、確実、かつ重篤、といった場合には、

マクロライドが推奨されますが、

実は子供のセキは、風邪にともなって鼻腔内で増殖した肺炎球菌による膿汁が

後鼻漏となって気管に流れ込み、気管を刺激して出るケースが、

マイコプラズマの何十倍も多いと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こういったケースにマクロライドを投与すると、セキが治らないばかりか、

かえって中耳炎、気管支炎などの合併症を起こしやすくすることさえ考えられます。

肺炎球菌は健常な小児でも4割程度が普段から鼻に「飼って」いますから、

頻度は高い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、オゼックスなどのキノロン剤は、さらに注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マイコプラズマがここまで耐性化したのは、

臨床の現場で安易にマクロライドが多用された結果、といことは明らかです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現行でマイコプラズマに対して、耐性化がほぼないのは、

テトラサイクリン系のミノマイシン、とキノロン系のクスリです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただし、ミノマイシンは歯牙着色という副作用があるため、

8歳以下には原則使えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで、最近適応症追加になったオゼックスですが、

ミノマイシンがその薬剤の特徴からマイコプラズマは耐性化できないのに対し、

オゼックスに対しては、耐性化が起こり

すでに実験的に耐性マイコプラズマができることがわかっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、オゼックスをかつてのマクロライドのように多用すれば、

いずれ市中にキノロン耐性マイコプラズマが広がる可能性は極めて高い。

同じ過ちを繰り返してはいけません。

 

 

 

 

 

 

 コチラも参考にしてください。

マイコプラズマその診断と治療 つだ小児科クリニックのHP

エムズこどもクリニック瑞江のHP

ふかざわ小児科のHP

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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