ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.03.28

堀ちえみさん、退院おめでとうございます。

以前も書きましたが、堀ちえみさんの影響で、

舌に何かできているが診てほしい、という患者さんはけっこう来院されます。

この間は朝一番に来た方が

今流行りの舌がん かどうか診てほしい」

というので驚きましたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシの義弟、つまり妻の弟さんは病院勤務の歯科口腔外科医師で、

連日、舌がんを疑う初診の患者さんが大挙来院し仕事に支障をきたすほどらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただの口内炎のヒトも多いが、

目立って多いのが「有郭乳頭」を「発見」して来院される方。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有郭乳頭とは舌の構造物のひとつで味覚に関連した器官、

舌の一番奥にV字状に配列していますが、普通にベロだしただけでは見えない。

でも、ぐーっと引っ張り出すとその一部が見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

V字型の配列なので特に舌のわきのモノが前方にあるため

これを「何かできてる」と心配になる人が多いのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この手の患者さんは以前から、一定の割合でいたのですが、

最近は、激増しているものと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんな中、堀ちえみさんは先日無事退院されたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女のブログで知ったのですが、

堀さんは、入院、手術を受けたあともずっとブログを書いていたのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

術後の経過、カニューレの抜管や、食事・嚥下のリハビリなど、

日々の入院生活がつづらています。

勤務医時代に受け持っていた舌がんの患者さんのことなどと重ね合わせて、

いろいろ思いだしたりしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病気に対して、前向きに立ち向かう彼女の言葉はたいへん清々しく感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまでは勢いで来た感じですから、

本当に大変なのはこれからかもしれませんが、彼女の健闘を応援します。

マスコミの方々には不必要な取材や無神経な写真スクープなどは

くれぐれも自粛していただくことを強く希望します。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントはまだありません
2019.03.27

日本対ボリビア、試合の興味は・・・

先週末から今週はJリーグが無く、FIFAの国際Aマッチデーで

日本代表はホームでコロンビアとボリビアの2試合を戦った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果はコロンビアには0-1の負け、ボリビアには1-0で勝って

ワールドカップではハンド退場のコロンビアには勝ったが、

11人いるコロンビア相手には勝てない、ということと、

ボリビアならばホームなら、ベストメンバーを出せば何とか勝てる、

というあまりサプライズのない結果であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とくにコロンビア戦からスタメン総とっかえで「選手層の拡大」をはかった

ボリビア戦の前半は、全くつまらないサッカーでうんざりした。

結局、中島、南野、道安がいなければダメ、ということを確認しただけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中、興味を引いたのが

鈴木隆行氏と楢崎正剛氏のダブル解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴木隆行氏は元日本代表FWで2002年の日韓ワールドカップ前に

彗星のごとく現れ大活躍。

その後、さしたる活躍なく消え去ったところは、

イタリア代表で1990年イタリア大会の時だけ輝いた

サルバトーレ・スキラッチぽいなあ、と常々思っています。

ベルギーからJ1そしてJ[2の各チームを渡り歩き、2015年に引退しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 楢崎正剛氏もまた元日本代表GKですが、

横浜フリューゲルス時代の1996年から代表に選出され、

2002年の日韓ワールドカップ大会を挟んで10年以上日本代表GKとして君臨、

クラブは横浜フリューゲルス消滅以降は名古屋グランパスに移籍し、

以後、名古屋一筋で昨年華々しく引退しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実はこの2人、同い年なんですねー。

これは、ちょっとビックリ。

太宰治と松本清張が同じ年なのと同じくらい、とまではいきませんが、

何となく、意外でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この2人の解説ぶりの対比がオモシロイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴木隆行氏は引退して数年たっており解説経験もそこそこ多いようで、

流暢だし、内容も的確で、言葉数も多い。

アナウンサーの実況に合わせていろいろコメントをさし挟んでくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 楢崎正剛氏は昨シーズンまで現役だった関係で、

解説の仕事はまだそれほどない。

アナウンサーに「楢崎さん」と水を向けられるまでは全くしゃべらず、

振られてもなかなか言葉が出てこないし、解説の内容も(?)だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この辺、解説の経験の差、というよりは、キャラクターの違い、

つまりフォワードとして器用に多数のチームを渡り歩く鈴木氏と、

ゴールキーパーという特殊なポジションを選び一つのチームに長く在籍する楢崎氏の

生まれ持ったキャラの違いかもしれぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合が始まって間もなく、アナウンサーが楢崎氏にコメントを求めた。

アナ「日本は過去ボリビアと2回対戦し、1勝1分けです。

楢崎さんはそのどちらの試合とも出場されていますが、

ボリビアの印象はいかがですか?」

 

 楢崎「うーん、あのー、ですねー。

日本での試合と、南米での試合で戦いましたけど、

南米での試合では、日本でやった時とは違うチームのような強さでした。」

 

 

 

 

 

 

 

 おいおい、ってことは今日の試合は日本での試合だから

このキリンカップでのボリビアチームは本当の実力ではないってこと?

そんなこと言ったら、テレビ見てるヒトはしらけちゃうし、スポンサーは怒るで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後も、鈴木隆行氏と、楢崎正剛氏のコメントの対比が興味深く、

ゲームがつまらなかったので、

試合を見るよりも、解説を聴く方が面白かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、昨日のこのゲームは、試合を「見た」というよりは、

「ボリビアを聴きながら」

でした。(*^-^*)

 

 

 

 

コメントはまだありません
2019.03.26

アレルギー検査陰性のアレルギー性鼻炎 その③局所アレルギー性鼻炎

 

 またまた続きです。

さて、第3の病態は、というと「局所アレルギー性鼻炎」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これも新しい概念です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 近年海外において、

アレルギー性鼻炎症状を呈す人の中に血液中IgEは陰性だが、

鼻汁中のIgE交代が陽性である症例が、

草木アレルギーやダニのアレルギーにおいて報告され、

「局所アレルギー性鼻炎(Local Allegic Rhinitis:LAR)」

と呼ばれるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これはまだよくわかっていないことが多く、

局所のIgE抗体陽性のヒトがいずれは血中IgEも陽性になるのか、

はたまた別物なのかは突き止められていません。

ブタクサやダニアレルギーにあるのなら

スギ花粉症にもあるだろうと考えるのが妥当です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそも、鼻汁中のIgE測定は現行では保険適応に無く、

検査法自体も確立していません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現時点でできることはアレルギー誘発テストです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、鼻粘膜にアレルギーの原因物質(アレルゲン)をしみこませた小ディスクと、

しみこませていない対照ディスクを置いてみてアレルギー反応の出方を調べるものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワタシが大学病院でアレルギーの専門外来をやっていたときには

ルーチンで行っていた検査ではありますが、

日常の外来でやるにはなかなか手間と時間がかかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそもダニとブタクサなどは市販の検査ディスクあるのですが、

スギに関しては検査用のディスクが市販されていません。

ワタシが大学病院のときは対照ディスクに

皮内反応用の注射液をしみこませて代用していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かつてはLARの概念がありませんでしたから、

先に皮内反応か血液検査で陽性になったヒトに誘発テストを行っていたので、

それらの検査で陰性で誘発テスト陽性の患者さんを経験したことはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今後、この病態についての解明が進むでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このLocal Allegic RhinitisはLARと略されるのですが、

「エル・エイ・アール」ではなく「ラ―」と発音する先生もいるようで、

学会で聴いたときはじめ何のことかワカリマセンでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時思い浮かんだのが、昔々のテレビ番組「宇宙猿人ゴリ」。

ハリウッド映画「猿の惑星」の大ヒットに便乗して日本で作られた子供向けの特撮番組。

地球を侵略する宇宙猿人「ゴリ」の手下の名前は「ラ―」

 

「ゴリ」と「ラー」で、「ゴリラ」かよ、と子供心にもあきれるネーミングセンスでした。

 

 さて、これで3回にわたった

「アレルギー検査陰性のアレルギー性鼻炎」のお話は終わりです。

それでは、最後にお聞きください。(*^^*)

あー、ナツカシイ。

局所アレルギー性鼻炎のことを考えると、この歌が頭に流れるようになりますよ。

 

 

 

コメントはまだありません
2019.03.25

アレルギー検査陰性のアレルギー性鼻炎 その②好酸球性鼻炎

 前回からの続きです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、以前はIgE陰性ならみんな「血管運動性鼻炎」で良かったのですが、

最近はそうでもなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのひとつが「好酸球性鼻副鼻腔炎」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アレルギーは体を守る仕組みである「免疫」が、

体に有害な作用として働いてしまう一種の免疫の暴走です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 免疫には抗体を介する「液性免疫」のほかに

好中球やリンパ球などの白血球を介する「細胞性免疫」があります。

好酸球は白血球の種類のひとつで「好酸球性鼻副鼻腔炎」は

細胞性免疫の暴走、といってもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 好酸球性副鼻腔炎は先ごろ厚労省指定の難病に指定されましたが、

その概念は新しく、ガイドラインがやっと整備されたばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 細かい診断基準は割愛しますが、

IgE抗体陰性で血液中の好酸球が増多している人の中にはこのタイプの鼻炎があります。

喘息、とくにアスピリン喘息や

鼻茸を合併している人は可能性が高くなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 治療上の大きな問題は、普通のタイプのアレルギー薬が効きにくく、

ステロイドが著効する、という点です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、このタイプの患者さんで一定以上の症状の方は、

まずステロイドから治療をはじめないとまったくよくなりません。

漫然と対症療法をするのではなく、計画的に治療を進める必要があります。

自称花粉症の方の中にもときどきこの病態の方がいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、さらに第3の病態があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1件のコメント
2019.03.24

アレルギー検査陰性のアレルギー性鼻炎 その①血管運動性鼻炎

当院では花粉症の患者さんには

原則としてアレルギーの血液検査をさせていただいております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギーの種類と程度を知ることは、

アレルギーの治療の第一歩です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血糖値や血圧をはからずに

糖尿病や高血圧の治療をする内科医はいませんからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは実にいろんなことがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スギ花粉症の程度ももちろん、ヒノキアレルギーを合併してるかどうかは

クスリの処方期間に対して重要な情報です。

イネ科などほかの花粉や、ハウスダスト、イエダニのアレルギーを合併してるかどうかで、

日常生活の注意事項も変わってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中には、長年スギ花粉症だと思っていて、ハウスダストアレルギーだった、

なんて方もいらっしゃったりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギー検査はIgE抗体という物質を測定しますが、

これが陽性である=スギ花粉症である、というわけではありません。

抗体ができてから、発症するまでにはもうワンステップあるのです。

だから体に抗体ができていても、まだ、花粉症を発症してない人もあるのです。

数年のうちの発症する確率が高いので、マスク等の対策は必要ですが、

この時点では薬を飲む必要はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、アレルギー性鼻炎の症状、所見があるのに

スギもヒノキもハウスダストもダニも抗体陰性だった場合はどう考えるべきでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この場合、総IgEの値にまず、着目します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギーの原因は、一般に調べる

スギ、ヒノキ、ハウスダスト、ダニ、イネ科やブタクサ類のほかにもたくさんあります。

別の花粉、動物、食物、化学薬品、・・・・・。

個々のIgE値を調べるのにはキリがありませんが、合計値が出ます。

この総IgEの値が高ければ、通常の検査項目ではない

何らかのアレルギーがあると考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、こういったヒトは、実はそう多くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここからが、本題です。

スギをはじめアレルギー検査がすべて陰性で、総IgEの値も低値、

というヒトはどうでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは少なくとも3種類の病態が想定されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つは「血管運動性鼻炎」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは簡単に言うと鼻粘膜の「過敏症」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワレワレはハナミズを出そうと思ってハナミズを出すことはできません。

くしゃみや鼻閉も同様で、自分の意志ではどうにもなりません。

これらは「自律神経反射」によるものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰でも寒いところでは鼻水が出たり、

コショウなんかを吸い込むとくしゃみが連発で出ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血管運動性鼻炎のヒトは、こういった自律神経反射が過敏で、

ちょっとした刺激や、気温、気圧、湿度の変化に対して鼻炎症状が出てしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春先は特に季節の変わり目で、環境の変化が激しいので、

ちょうどスギ花粉の時期に鼻炎症状が出る、という方にはこのような場合があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

環境の変化を受けにくくするためにマスクは有効ですが、

スギ花粉症のヒトのように次の花粉に備えて薬を飲み続ける必要はなく、

頓服的な飲み方で十分です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、だが、これだけではないことが近年わかってきました。

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1件のコメント
医療系をまとめました。
2019年8月
« 7月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
最近の投稿 最近のコメントカテゴリー アーカイブ