ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

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2011.02.06

田子の浦に


田子の浦にうち出でてみれば真っ黄色にぞ、
      富士の高嶺にスギは降りつつ

 【解釈】田子の浦まではるばる来てみると、富士山に真っ黄色にスギが降っているようであるよ。
 【解説】田子に浦に出て富士山が見えると、スギの花粉が多いためか、
     真っ黄色にけぶって花粉が降っているかのようで、
     今年は花粉量が多くて困った、という作者の嘆きを表している。
     この歌、万葉集では、「田子の浦に~降りつつ」ではなく
     「田子の浦~降りける」となっている。
     この場合の「ゆ」は細いところを通って、広いところに出る、という意味を持っている。
     したがって解釈は「田子の浦を通って視界の開ける場所に出てみると~」
     と訳さねばならない。
     用例)長道恋ひ来れば⇒長い道のりを恋慕いて来ましたら
        FC東京、チェザーナインテルに⇒FC東京、チェザーナを通ってインテルに
        川原温泉に行く⇒川原を通って温泉に行く
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そういえば八ッ場ダムのとこの川原湯温泉はどうなるんでしょう。
 なんてことより、忙しくてブログどこではなかった。
 急にあったかくなって、花粉も飛んじゃうんじゃないか、
とあせったヒトは、私以外にも多かろう。
 昨日土曜日は花粉症の薬をとりくる方が多数来院し、
まあ大体は年いっぺん来る方々だが、
昨年の状況をうかがい、今年は昨年の5~10倍ですからどうしましょう、
と作戦を考える。
 薬の種類を変えるか、このままで行くか、また何か追加するか。
 そして、また花粉対策のポイント、注意事項を確認して、
また来年会いましょう、
今シーズンの成功を祈る、なんて。
 それにしても、診察、相談して話すこと多いので早口で説明するんだけど、
処置や検査をするわけでないので、診察料だけなんだなあ。
 内科だと患者さんの顔見るだけで
「特定疾患ナントカ加算」「生活習慣病管理料」とか、いろんな点数が取れるんだが、
耳鼻科はそういうのがないのだ。
 まあ、アレルギーの薬は高いので、
患者さんは薬局でいっぱいお金払うから、
耳鼻科外来でお金いただくの申し訳ないからまあいいんですけど、
けっこう説明疲れるんですよ。
 そう、どっちかっていうと、お金の問題より実際悩んでるのは
ライブがあるので、声帯をあまり酷使したくない、ってことなんだなあ。
(毎日、外来終わると声がガラガラです。)
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2011.02.01

10~11シーズンのインフルエンザ事情


 インフルエンザは流行のピークなのか、
毎日たくさんの患者さんを診察します。
 昨年から、インフルエンザであることが確実であれば、
簡易検査をしなくてよい、ということに変わったので、
家族内にインフルエンザ確定診断のヒトがいて、
本人の診察結果が明らかであれば、
(中耳炎や溶連菌感染の所見が無ければ)
すぐタミフルやリレンザを出します。
 逆にいえば、簡易検査してインフルエンザ出なかった患者さんに、
インフルエンザの薬を出すことがほとんど無くなりました。
 簡易検査はかなり精度があがり、以前は半日たたないと出ない、
などといわれてましたが、けっこう早く出ますね。
 こっちの取り方がうまくなったのか、
(ともかく鼻汁を良く吸引してから検査すること)
でも多分、キットが改良されてんだろうなあ。
 時間も説明書では反応を15分待つのですが、
今は大体2、3分、早ければ1分以内に「陽性」が出ちゃいます。
 この間の研究会で、子供は初期から検査をして、
重症化を防ぐべきだ、と聴いたので
熱が出て時間がたってなくても、早めに検査をしています。
 また、周りにインフルエンザ患者がいて、
本人は最高37.2℃までしか熱上がんないけど、
という大人の方の検査をしたところくっきり陽性が出たりします。
 簡易検査の本領発揮ですね。
 感染拡大の阻止に大いに役立ちます。
 一方、昨年と違い、インフルエンザに社会が慣れた面もあります。
 先日、幼稚園のお姉ちゃんがインフルエンザ陽性で、
隔離ベッドで待っててもらいました。
 すると下の子を連れたお母さんが同じベッドで待とうとするので
スタッフが声をかけたところ
「どうせ、もう感染っちゃってるし、この際、下の子もかかった方が都合がいい。」
などという方がいらっしゃった。
 インフルエンザはウイルス疾患なので、
かかるにしても「薄く」かかった方がいい。
 今、上の子はたくさんのウイルスを持ってるので、
これで下の子が「濃く」かかると重症化することもあるんですよ。
ということを説明し、別の場所で待ってもらった。
 昨年「新型インフルエンザ」が登場した時は、
マスコミが大騒ぎし、新型ワクチンに長蛇の列ができ、
それこそ、ペストかエイズかという位に恐れられたものだが、
わずか1年で、ここまで意識が変わっちゃうんだなあ。
 その一方で、じわりと鳥インフルエンザが流行ってるのが気がかりです。
(ヒトヒト型に変異しませんように)
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2011.01.26

身も焦れつつ

 全く、ここんとこ駆け込みレーザーが多くて大変だ。
 今年の花粉がスゴイ、という情報はマスコミを通じて駆け巡ってるらしく
レーザーにすがろうと病院に訪れる。
 もう、予約はかなりいっぱいだけど、
それでも何とかやりくりして手術を入れてます。
 もうちっと、早く来ていただきたいですなあ。
 毎日毎日ぼくらはレーザーで鼻を焼いてていやんなっちゃうよ、
とタイ焼き屋のおやじか、
はたまた、土用丑の日近辺のウナギ屋のおやじか、
という今日この頃だ。
 このレーザーはスギ花粉が飛散を始めちゃうと
もう間に合わないので、あとわずかなのだが、
早く飛ぶか遅く飛ぶかわかんないので、
とりあえず、もう少し予約を受けています。
 でももうすぐ締め切っちゃいますよー。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
 来るスギをまつ帆の浦の夕なぎに 
           焼くやレーザー身も焦れつつ

 【解釈】いずれはやって来るスギ花粉症を待ちながらレーザーをやってる私は
     もう疲れて、自分のレーザーでこの身が焦げそうですよ
 【解説】迫りくるスギ花粉の猛威におびえつつも、
     こう毎日レーザーばっかでは身が持たんなあ、肩もこるし。
     いっそ、花粉が飛べばそれも終わるが、そしたらもっと大変だしなあ、
     という作者のジレンマが歌われています。
     松帆の浦は現在の淡路島ですが、「待つ」と「松」をかけています。
     ついでに作者は「スギ」と「過ぎ」をかけているので、元歌の藤原定家の上を行く??
     「焼くや」の「や」は「間投助詞」。
     調子を整えたり感動、詠嘆の意味を添えたりする。
     (用例)行く春、鳥啼き魚の目は泪(奥の細道)
         きりぎりす鳴く霜夜のさむしろに・・・(藤原良経)
         ハヤシ三平(どうもすいません、もうたいへんなんすから)
    ・・・・・・・・・・・・・・・   
 それにしてもインフルエンザも多くて、
今日は、確診が2ケタだった。
 こっちも早く片付かないと困るなあ。
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2件のコメント
2011.01.19

医師の焚く火の

 
 耳鼻科医院 医師の焚く火の昼はレーザー
   夜は焼き肉 ものをこそ思へ
 
 【解釈】耳鼻科医院は花粉症の準備で毎日忙しいが、
     昼はレーザーで患者さんの鼻を焼いて
     夜は焼き肉屋に飲みにいくとここでもモノを焼いてるなあ。
 【解説】花粉症の季節が迫って来て
     毎日、何人もの患者さんの鼻をレーザー手術している作者が
     仕事が終わって仲間と焼き肉屋に飲みにいけば、
     またここでも、無煙ロースターでカルビなどを焼きつつ、
     ああ今日は一日中モノを焼いてるなあ
     と、不思議な考えにふけっている情景である。
     「ものを思ふ」は本来「恋をして物思いにふける」という意味であるが、
     この場合、作者はカルビはともかく花粉症には恋をしてないと思われる。
     「~こそ・・・思へ」の「思へ」は「已然(いぜん)形」でご存知強調の係り結びである。
    (用例)「今こそ別れめ」⇒「今こそ別れよう」
        (ところで、これ、マジで「別れ目」と誤解してるヒト多いのでは?)
        「鼻こそ焼きけれ」⇒「(肉などではなく)鼻を焼いたのだ」
        「鼻くそ焼きけれ」⇒「(ついでにレーザーで)鼻くそも焼いてしまった」
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 時まさに開戦前夜。
 毎日レーザーだが、昨日は診察終了後飲み会で
焼き肉屋に行き、カルビ焼いてると
ああ、1日中なんか焼いているなあ、なんて思うわけだ。
 今日来た患者さんで、花粉症予防のため
12月からアレロック、オノンを毎日飲んでるっていうスゴイヒトがいた。
 初期療法と言って花粉症の始まる前から薬を飲む治療は今や主流だが、
早ければ早いほど効くということは無いです
 
 去年も書きましたが、初期療法は花粉の飛び出しと同時かやや早く、で十分。
 ここらへんだと2月中旬か。
 まあ、安全域をとって東京で花粉が始まったら飲もうねー、
と患者さんには言っております。
 12月から毎日2剤続けたらどんだけお金かかっちゃうのよ。
 スギだけでも4月中旬まで、ヒノキあれば4月いっぱいは飲むわけだし。
 アレロックもオノンも初期療法では使いますがどっちかでいいだろね。
 症状によって2剤併用は、有効ですので一緒に飲んで
もちろんいい薬ですが。
 花粉症って患者数がべらぼうに多く、
根本的な治療法がないんだけど
死んじゃう病気じゃないのと、
時期が来れば何とかなっちゃうので、
専門医で治療しないヒトも多い。
 だから、時々信じられない民間療法や、
お医者さんの中にもよくわからないままなんとなく薬だしてるヒトがいて、
いろいろビックリさせられます。
 患者さんも得するヒト損するヒト、いるんだろうなあ。
 まあ、やっぱり命にかかわらないということで、
みんな軽く考えてるんでしょうねー。
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2011.01.16

杉の原ふりさけ見れば


 さあ、今年も「花粉和歌集」の季節が、やって来たぞ。
一緒に楽しくお勉強しましょう。
(過去の和歌を参照したい方は、右のカテゴリの欄から「花粉症」をクリックしてね。)
 杉の原 ふりさけ見れば上越の 山のスギの木真っ黄色かも
【解釈】杉の原にスキーに行った時、ふと仰ぎ見ると、新潟群馬の山々のスギの木は
    花粉がびっしりでまっキイロであったなあ
【解説】作者が妙高杉の原にスキーに行った折、ふとバスの中から周りの山々を仰ぎ見ると
    山々に生えているスギの木はどれも花粉をつけて真っ黄色である。
    今はまだ飛んでないが、今後に大変な季節がやってくるなあ、という
    作者の悲嘆にくれた気持ちが表現されている。
    「ふりさけ」の「さけ」は離れたものを表す。
    用例)ふりさけ見れば⇒遥かに仰ぎ見れば
        朝さけ飲めば⇒迎え酒
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 先週、スキーに行った折、バスの窓からふと外を見ると
山々のスギの木が黄色~オレンジ色なのにビックリ。
 花粉量は前年の夏の気温、日照で決まることは、
最近ほぼ明らかなので、
猛暑だった昨年夏を考えると、
今シーズンの花粉の大量飛散はほぼ確約されている。
 それにしても、目の当たりにしちゃうと
やっぱりビビるなあ。
 幸い、その辺の注意はマスコミでも流布されているようで、
今の時期来院される患者さんは
皆さんご存じだし、
特に今年はレーザー手術の予約が多い。
 まあ、この時期に来院してシーズン分
2カ月、3カ月の薬をまとめて持ってく患者さんや
シーズン前にレーザーやっておこうなんて患者さんは
治療に対する意識が積極的でいいんだけど。
 問題は3月中旬過ぎに来院される
「不注意な」あるいは「ナメていた」花粉症患者さんたちなんだよなあ。
 市販薬でごまかしていたり、
内科あたりでテキトーに薬もらっていたヒトたちが
その頃に、スゴイ状態になっちゃって
「何とかして」と駆け込んでくるパターンが、
今年は多いんだろうなあ。
 皆さん、周りに声かけあって
十分な準備をしてくださいね。
 こっちも気合入れねば。
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2010.12.15

「タミフル」様のおかげです


 
 突然の急病で各方面にご迷惑をおかけしましたが、
もう大丈夫、完全復活です。
 しかし、体調は回復したものの体力は落ちていて、
今朝の犬の散歩は息切れしたっす。
 さて、今年からインフルエンザの薬は3種類あります。
おなじみ内服薬「タミフル」と吸入の「リレンザ」の他、
一回の吸入で済むという「イナビル」がある。
(厳密には注射用点滴製剤を入れて4種類だが、
これは通常入院患者さんしか使わんだろうから。)
 妻に検査を依頼し、持ってきてくれたのは
おなじみ「タミフル」でした。
「すぐ反応出て、看護婦さんもびーっくりするくらい濃かったわよー。」
 通常迅速検査での反応時間と反応の強さは
ウイルス量に比例すると考えられるので、
相当「濃く」インフルエンザに冒されたと考えられるわけだ。
 もちろん症状も強く、発熱も月曜、朝の38℃から、
38.4℃⇒39.0℃⇒39.3℃と1時間単位で上昇し、
お昼にはついに39.5℃まで上昇。
 しかし、これは40℃までいっちゃうのでは、
と思ったあと、午後3時ころから、急激な発汗が始まり、
今度は1時間ごとにパジャマがびしょびしょになって、
着替えを繰り返す。
(その数10回以上!)
 とともに、どんどん体が楽になり、
熱も38℃台後半から前半へと下がってゆく。
 夜風呂入って、ケンチキのチキンポットパイ食べて寝たら、
その晩はほとんど起きずに翌朝は平熱に下がっていた。
 翌朝、妻が
「あー、やっぱり、新型はタミフル効くわねえ。」
 そうなのだ、忘れてたけど2シーズン前にやはりインフルエンザになった時、
「タミフル」飲むも一向に熱が下がらず、大変な思いをしたのだった。
クリックして参照してください⇒「2009年インフルエンザ闘病記
 あの時は今思えば、旧型である「Aソ連型」の最後っ屁。
ばりばりタミフル耐性だったが、
今回の「パンデミック2009」いわゆる「新型インフルエンザ」は、
若くて勢いはあるが、まだまだ「タミフル様」にはかなわないのだ。
 しかも、これ読むと前回は39℃は超えてないみたいだし、
今回の方が感染としてはむしろ強かったのかも知れぬ。
 今回も、タミフル以外には抗生剤や風邪薬はもちろん、
解熱剤も一切使ってないから、
「タミフル」効いたんだなあ。
 タミフル開始して、半日くらいで効いてきて、
24時間たらずで解熱してるわけだ。
 ・・・待てよ、ウチの奥さん、
ひょっとしてそれ確認したくてオレに「タミフル」持ってきたのか?
 何で、一番新しい「イナビル」持ってこないか、ちょっと気になってたが、
熱も高いので、あれこれ質問する気にもならず
とりあえず飲んでたけど・・・・。
 実験だったのかっ。
 そんなわけで、みなさーん、
今年のインフルエンザは、前のソ連型の時タミフルが効かなかったヒトでも、
ちゃーんとタミフルが効くことが実証されましたのでご安心を。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 あー、これ見ると、前回のブログにも
今後は摂生して、マスクして、なんて書いてるなあ。
 やっぱ、オレゃあ、ダメ医者だなあ。
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2010.12.02

オラペネム耐性インフルエンザ菌

 ついに出た、といってもあまりありがたくないものが出た。
 オラペネム耐性のインフルエンザ菌である。
 6か月の赤ちゃん、急性中耳炎で鼓膜切開したが、
耳だれが止まらず、培養結果出る前だったが、
抗生剤をメイアクトからオラペネムに変更。
 しかし、それでも一向に良くならず、
昨日菌検査の報告が来て上記が判明。
 感受性を見て抗生剤をオゼックスに変更して、
本日はかなり良くなっていた。
 やれやれ。
 MRSAやアシネトバクターでは耐性菌でもどうってことないが、
インフルエンザ菌は、困るなあ。
 あ、誤解ないように。
 インフルエンザじゃないよ。
 よくわかんないヒトは私の過去の記事
インフルエンザではありません」←クリックして参照してください。
 そもそもオラペネム、オゼックスは
近年の乳幼児の中耳炎の難治化に問題を感じた学会側が、
メーカーに働きかけて「出してもらった」新しい抗生剤である。
 メイアクト、フロモックス以降、長年にわたり抗生剤の新薬が出ず、
小児科医、耳鼻科医の抗生剤の乱用、
必要ない病態に対しての垂れ流し的使用によって
巷にはすっかり耐性菌が蔓延し、
幼小児の中耳炎の難治化が耳鼻科医の間で問題になっていた。
 そこで現れたこの2剤は、メーカー側もお医者さんに
「なるべく使わないでくださいね。」
という売り方をする珍しい薬なのだ。
 当院でも症例を限ってなるべく使わないようにしてるのだが、
早くも耐性菌が出てしまっているとは。
 しかし、どんな抗生剤にも耐性菌は存在し、
それは、薬ができる前からあるというが。
(この辺の話、難しいけど面白いのであとでこのブログで解説しますね。)
 ともかく、これからますます気をつけて行かないと。
 しかし、インフルエンザ菌も生き残りをかけて必死なのだなあ。
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9件のコメント
2010.11.28

またまた、医者の不養生です。


 先週末広島の安いホテルのエアコンでのどを痛め、
風邪気味のところに
 水曜日は寒風の中でフットサルをし、
 翌日は、真夜中近くまでライブ前のバンド練習があり、
すっかり声がガラガラででなくなっちゃったところに、
 昨夜は飲み会で、紹興酒とバーボンをしこたま飲んだうえ、
夜2時過ぎまでカラオケまで歌っちゃったので、
もう、全然声が出ない。
 おまけに今週は患者さんもかなり多く、
説明や指導で、ほぼずっとしゃべり通しなので始末が悪い。
 耳鼻科医としては、のどを痛めた患者さんには、
そんなことは一つでもやっちゃイカンと、いつも言ってることを
すべてフルコースで自分でやってるんだから、
医者の不養生もここに極まれり、といったところだ。
 特にキツイのが、長く説明を要する新患。
 花粉症、インフルエンザなどは、相当時間を割いてしゃべるが
幸いまだ今の時期は少ない。
 しかし、溶連菌感染症がここんとこ多く、
これが出ると、
細菌とウイルスの違いから始まって、
学校伝染病の分類、治療方針、合併症・続発症状の説明
感染経路と予防の方法等々、説明に時間とパワーを要する。
 だが、それよりも最も大変なのは「禁煙外来の初診」だ。
 ブリンクマン指数の意味から始まり、
タバコのもたらす疾患を、各種がん、循環障害、脳血管障害、COPDと説明し、
女性にはスモーカーズフェイスの説明をする。
(これは結構効く)
 続いて主流煙・副流煙の話、受動喫煙の話、
公共交通機関やレストランでの禁煙の話をし、
禁煙による金銭的メリットの話をする。
 治療の話に移り、ニコチンパッチと内服薬の
メカニズムを説明し、
それぞれの長所・短所、治療期間、かかる金額を説明し、患者さんに選んでもらう。
(ただし、現時点でニコチンパッチの方が在庫切れで内服薬のみなので、
この部分がカットでき、昨日は助かった。)
 そして、おもむろに器械を取りだし、
患者さんにその場で呼気中の一酸化炭素濃度を測ってもらう。
 そして、一酸化炭素って知ってますかアンタ、
練炭自殺の死因だよ、
そんな怖い物質が息からこんなに出てんですぞ、
と脅しをかけ、
 だから絶対、禁煙頑張りましょうね、
でも、こういうことで失敗する人がいるからといって、
飲み会や職場、家族の喫煙者に対する注意など、
回避すべき危険なシチュエーションを指導する。
 で、最後にそら、ゼッタイあなたうまくいきますって、
タバコやめると楽ですよー
と目一杯励ますわけだ。
 脅したり、賺(すか)したり、
かなり早口でしゃべっても20分近くかかるのだ。
 はっきりいって、かなり効率の悪い診療なのだが、
少ししてから
「おかげさまでタバコやめられました、」
という患者さんが来られると、
それはそれはウレシイものなのです。
 疲れも吹っ飛びます。
 なんか、ヒト一人の命を救ったぞ、みたいな充実感があります、
 だから、昨日、私の喉を「犠牲」にして説明した患者さん、
何とか禁煙に成功してくれるといいんだがなあ。
 んで、今晩また、別のバンド(しかもハード・ロックの!)の
練習があるんだが、・・・・困った!
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2010.11.10

注射ギライ


 毎日毎日インフルエンザの予防接種をしている。
 今年はどうなるかわからないが、
北海道と沖縄では始まって来ているようだ。
 さて、予防接種、泣く子、泣かない子、いろいろだが、
泣かない子の方が多いようだ。
 昔々、自分が子供の頃、注射は大キライだったなあ。
(今でも、するのもされるのもキライだけど。)
 昔は集団接種が多く、
学校の体育館や保健室でした記憶が多い。
 体育館かなんかで、問診票を先生に渡して、
「はい、いいよ。」
と言われると、注射の列に並ぶ。
 2人の先生で注射をしてることが多かった。
 すると、ナゼカ2つの列の長さに差ができるのだ。
 子供的にはあらゆる情報源を駆使して
「少しでも痛くない方に」並びたい。
 その情報とは、
先生の年齢だったり、風貌だったりもあるのだが、
何といっても参考になるのは
先に注射を打った子供の反応だ。
「うう、イッテー。」
という奴もいるし
「ぜーんぜーん、いたくなーい。」
などと声高にアピールする奴もいる。
 しかし、もちろん、そのセリフは
額面通りに受け取れない ことくらい、
子供でも分かっている。
 アイツは、大げさだとか、
あとの者をビビらせようとしてるとか、
ホントはすっごく痛かったのだが、
あとのやつにもこの痛い方の先生に受けさせようと罠をはるやつとか・・・・。
 ともかく小学生が算数や国語の授業で使うよりは、
はるかの多くの脳細胞を動員して、究極の決断を下すのだ。
 すると、同じような思考回路を経て選択をした子供たちによって、
列の長さに差が出る。
 そして、自分の列の前の子の反応と、
隣りの列の子の注射後の反応を観て、
うん、これでナントカ乗り切れるだろう、
とひそかな期待をいだくのだ。
 と、そんな時、
「はーい、こっちすいてるから、君から後ろは、
こっちの列に移りましょう。」

などという先生の気まぐれなひと声によって、
綿密な計算に基づいた計画は、
はかなくも瓦解するのであった。
 それで、予想の何倍も痛い注射 を打たれ、
ああ、ちくしょー、あっちの列だったはずなのにー、
などという 無念の涙 をのんだことがある子供は
私だけではあるまい。
 そんなことを思い出しながら、
毎日毎日、どうやったら痛くなく打てるだろうと考えながら、
あれこれ工夫して、注射を打っている。
 だから、小さい子が泣かなかったり、
幼稚園児に「あれ、全然痛くなかった。」などと言われると、
注射ギライの私としては、実はすっごく、ウレシイのだ。
 ウチも2人のセンセイが打ってるけど、
たまに、女の先生の方がいい、なんていう子もいるんだよなあ。
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2件のコメント
2010.11.02

亀井教授の言葉


 先日は、恩師である群馬大学耳鼻咽喉科の亀井元教授の葬儀に行ってきました。
 受付時間の短縮などで患者様には大変ご迷惑をおかけしました。
 亀井先生が教授になられたのは昭和59年。
 私の入局が昭和60年なので、まさに教授就任後初の入局者、
妻の入局が昭和61年ですから、
まあ2人とも「亀井チルドレン」なんて言い方もあるかもしれません。
 亀井先生のことを一言で評すと「ジェントルマン」だったと思います。
 非常に温厚な人柄で、我々医局員に対しても、
丁寧な言葉遣いで、決して「呼び捨て」などにはしませんでした。
「小倉さん、これ、どう思いますか。」
「小倉先生、この文献まとめておいてください。」
 などと言った物言いで、
教室員を呼び捨てにして怒鳴りつける教授も中にはいますが、
全くそういうことはありませんでした。
 一緒に手術に入ると、手術室の看護婦さんにも
「ぺアンを取っていただけますか。」
などと敬語を使い、器械を受け取ると
「サンキュー」
と答えるのが常でした。
 妻が耳鼻科に入ったのも、
入局説明会で、教室員と教授がフランクに話してるのを見て決めた、
と言ってました。
 妻と知り合ったのは彼女の入局後ですから、
間接的に、亀井先生のおかげで結婚できた、といえなくもありません。
 亀井先生の言葉の中に常に私が大事にしてる言葉があります。
 まだ私が独身時代の若いころ、ある患者さんの受け持ちになりました。
 その方は、まだ30代半ばの女性の方だったのですが、
舌がんだったのです。
 治療方針を決めねばなりません。
 手術、放射線、抗がん剤、しかもそれらも様々な術式、薬の種類があります。
 何が最適なのか。
 その時、教授回診で先生が私に言った言葉は次のようなものでした。
「小倉さん、この患者さんをあなたのお姉さんだと思って治療してください。」
 そうです。
 この言葉で治療方針に対する迷いがなくなりました。
 それ以後、現在でも患者さんを診るたびに、
その人が
自分の親だったら、恋人、妻だったら、我が子だったら、はたまた自分だったら、
どんな治療を行うか。
 そう考えると答えはおのずと出ます。
 今でも、毎日、事あるごとにこの言葉に帰り、
また、患者さんに手術など勧める場合でも
「いや、もしうちの子だったら、これは切開しますよ。」
などと説明します。
 まあ、私が医者やっていく上での「座右の銘」っていうとカッコよすぎですが、
指針、道しるべみたいなものになってますね。
 
 亀井先生にとっては
私は全く「不肖の弟子」であったわけで、
その点ではまことにお恥ずかしいかぎりですが、
こうして医者をやっていく上で大変お世話になったと思っています。
 先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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医療系をまとめました。
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