ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

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2018.07.20

外耳道にエイリアン

 耳鼻科の病気は「季節モノ」が多い、ということは以前にも書きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 冬のインフルエンザ、春の花粉症、初夏の学校検診後受診児・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今頃は、ヘルパンギーナ、アデノウィルスなどの夏風邪、

もうちょっとすると外耳炎や、土用丑の日前後のウナギの骨が

季節の「旬」を感じさせますが、

また夏に多いのが、耳に虫が入ったという外耳道異物。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先日受診した、若い女性。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜中に耳に虫が、入ったとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そりゃあ、パニックでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、その時、耳の中で動く虫に対し

夜中に彼女がとった驚きの行動とは・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんと、自分で耳かきで虫を掻き潰した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、耳が痛くて、よく聞こえませんと受診した彼女が持参したのは

ティッシュに包んだ、虫の胴体と思しき残骸。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 顕微鏡で耳を覗いてみますと、

腫れて狭くなった外耳道の奥に血の海があり、

そこから、虫の足が突き出している!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 犬神家の一族かっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出血を吸引しながら、手術用の耳用鉗子と、ローゼンの吸引管で、

少しずつ虫の「部品」を取り出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 酒精綿の上に並べられていくのは、

後ろ肢、前肢、硬い羽根、薄い羽根、胴体の一部・・・・・

さながらバラバラ殺人の様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 長い時間かけて最後に

腫れた外耳道に挟まった触覚付き(!)の頭部を摘出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳の穴には細かい傷が多く、外耳道は腫れてだいぶ狭くなっていましたが

幸い鼓膜に大きな損傷や穿孔はなく、外耳道を洗浄して抗生剤を処方しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても、自分の耳にスゴイことやったもんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おそらく、耳かきで虫を外耳道に押しつぶして絶命させたと思われますが、

何となく、エイリアンと戦ったリプリー役の

シガニー・ウィーバーさんのイメージが彼女に重なりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 女は、強い。(@_@)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に「何の虫でしょうか?」

と尋ねられ、

「硬い羽根があるから、甲虫の仲間でしょうかね・・・・。」

と言っておきましたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 多分小型の「チャバネゴキブリ」ではないかと・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ゴキブリ」と聞くとショックかと思い、

本人には正しい「病名」は告知しませんでした・・・・・・(^_^;)

 

 

 


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2018.07.09

セキはどこから

セキというのは日常ありふれた症状だが、

これを正確に診断し、治療することはなかなかに難しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギー性や、逆流性食道炎、心不全によるセキなど、

教科書的にはその原因はさまざまありますが、

ここでは感染性のセキ、いわゆる風邪のセキの話をします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何となく、風邪のセキといえばノドか、肺の方だろう、

と考えるのはシロートであって、実は風邪のセキの多くは鼻が原因です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪をひくと、鼻水なんかが出るのは誰でもわかりますが、

そのあと、鼻の中でばい菌が増えると、いわゆる「アオッパナ」になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼻の中にたまった「アオッパナ」は

鼻の線毛運動によって後方に運ばれのどに落ちていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを「後鼻漏」といいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、喉を刺激して、あるいは気管に流れ込んで出るセキが非常に多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

典型的なのはタンが絡んだゼロゼロしたセキですが、

意外と患者さんがタンや後鼻漏を自覚していないケースがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

患者さんにタンがからみますか、

などと訊いて、たとえ「からみません」といわれても、

ファイバースコープを入れて鼻の奥、上咽頭を見てみますと、

そこに粘性な鼻汁が流れ落ちたり、はりついているのが観察できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供や赤ちゃんの場合はさらにです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分でハナをかむことができないので容易にこの状態になりますし、

症状を自分から伝えることができないので、

なかなか親や、小児科の先生にもわからないことがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気管支炎は確かにあるのですが、

その気管支炎のもとの原因はハナからの後鼻漏なので、

吸入薬や拡張剤を使っても元を止めないとなかなかよくなりません。

雨漏りの時にたらいを置くようなもので

おおもとの雨漏りを止める必要があるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、さらに炎症が副鼻腔に進むと副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼻炎だけの場合は、これは気管支炎だよねー、

といって内科・小児科の先生がその治療してるうちに治ってしまいます。

副鼻腔炎も、医者がそれと気づかなくても

その手の治療で治ってしまうことも、程度によってはあります。

だが、本格的な副鼻腔炎になってしまうと、なかなかそうはいきません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 副鼻腔炎が慢性になるとさらに厄介。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2か月も3か月も内科でセキの治療をして診たら蓄膿症だった、

というケースはざらです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人間には自然治癒力もあるので

的外れな処方でも免疫力で治ってしまうこともよくありますし、

マイコプラズマだ、百日咳だ、などと間違った診断をしても

結果的に鼻の方に薬が効いて鼻の病気が治ってしまうことも多いので、

内科・小児科医と耳鼻咽喉科医の数の比率を考えると、

鼻が原因のセキは医療統計的な記載より実際ははるかに多いような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 


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2018.07.07

続・ブラックペアンの時代

そんなわけで、ブラックペアンには

バブル時代の地方大学病院外科系の描写があり、

ちょうどワタシが医者になったころのことで、

懐かしい気持ちにさせられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

小説でオペ室での場面。

 

 

 

 

 

 

 

 

手術に入る医者はまず「手洗い」をします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オペ着(最近は「スクラブ」というようです)を着て

「清潔」になるために、「手洗い」をします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足で踏んで「ブラシ」を出し、3回ゴシゴシ洗う。

ブラシは当時は靴磨きのブラシみたいなごわごわしたやつでした。

最近はこの硬いブラシによる手洗いは、

手指に傷がついてかえって感染巣になる恐れがあるとのことで

やらないという話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガウンのはしをもって看護婦さんに渡し、ガウンを着せてもらう。

手術の手袋は大学病院では自分ではめました。

その後勤務した病院では、看護師さんがぎゅーって広げてくれて、

そこにずぼっと手を突っ込んではめてもらうのですが、

これがなかなかカッコイイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研修医の世良先生がこの手術室に入って、

いろいろ学んでいくところは、

若い研修医時代の自分と重なって読んでいてワクワクした場面でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

糸結びの練習のシーンも出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絹糸をもらって、「外科結び」の練習をするのは変わらないのですが、

小説のように白衣のボタンホールではしなかったなあ。

引き出しの取っ手や、ブックスタンドのパイプ部分は結び目でイッパイでしたが、

田舎の病院の「あるある」はクルマのハンドルです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田舎では「クルマ社会」なので、自家用車で通勤する人が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

若い外科医は信号待ちの時間を利用して

ハンドルに外科結びのタマタマを積み上げていきます。

医師駐車場を覗くとそんな車がいっぱいとまっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渡海先生のように製薬会社のプロパーさんを「金づる」にする、

というところまではなかったですが、

前回書いたようにメーカーによる接待なんかは多かったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとも先輩の先生に言わせると、

「オイルショック前は、こんなモノじゃなかった。」

という話ですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渡海先生が抗生剤の使用をめぐって

製薬会社に「たかる」くだりが出てきますが、

当時はたしかに抗生剤バブルの時代でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外科系の病棟では術後感染予防ということで、

点滴の抗生物質を大量に使用していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとも多用されるβ―ラクタム系の抗生剤は、

ペニシリンから、セフェム系第1世代、第2世代、第3世代と

つぎつぎに新薬が開発、発売されていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世代が進むと、効く菌の種類(抗菌スペクトル)が拡大し、

それとともに薬の値段もどんどん上がります。

競争相手が多いので各メーカーとも売り込みに必死です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小説では術後抗生物質を「精錬製薬」の「セイレイン」から

「サンザシ製薬」の「サンザシン」に替える、というくだり。

たぶん、どっちもセフェム系第3世代あたりだな。( ̄▽ ̄)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この製薬会社の名前をもじった注射用抗生剤のネーミングは、

この頃たいへん流行ってまして、

「〇〇ノギ製薬」の「〇〇マリン」、「△△ジ製菓」の「△△セリン」

「××ダ製薬」の「××スリン」「◇◇ノウチ製薬」の「◇◇テタン」など、

みーんなセフェム系。

まさに社運を賭けた製品だったんでしょうね。

全問正解者は間違いなくバブル期の外科医です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところがこのセフェム系、世代が進むと抗菌スペクトルは広がるのだが、

それに反比例して術後感染の主体となる

グラム陽性菌群に対する抗菌力が減弱していたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことを知らずに、

新しいモノがいいモノだろうと使っていた我々医者がバカでしたが、

製薬メーカーの人はそんなこと一言も教えてくれませんでした。

メーカーでも学術のヒトは知っていても、

営業のヒトには詳しく教えていなかったのかもしれませんが・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かくして、術後感染、菌交代、耐性菌、などという問題が噴出し、

周術期の抗生剤の使用法は大幅に見直されることになったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今でも、この耐性菌の問題は継続しており、

ワタシはこのブログで繰り返し抗生剤の適正使用を強調しているわけですが、

その裏には「抗生剤バブルとその崩壊」を

リアルタイムで目の当たりにしてきた医者としての体験があるからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、手洗いにしろ、メーカーの接待にしろ、抗生剤の使用にしろ、

今と昔ではだいぶ医療現場も変わってきました。

でも、今も昔も若い研修医が思うことは、

少しでも早く一人前の医者になりたい、

医者としての技量を上げたい、

そして「良い医者」になり、一人でも多くの人を病気から救いたい、

という点では同じでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミステリーとしての楽しみのほかに

そんな、若い医者だったころの気持ちも呼び覚ましてくれた

「小説 ブラックペアン1988」でした。

オレもこんな小説、書いてみたいなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2018.06.27

2018年度より補聴器購入に対する医療費控除が受けられるようになりました。

 2018年度から補聴器購入に際しての医療費控除が受けられることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 詳細はこちらです。(日耳鼻ホームページより引用)

 

 

 平成30年度から、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の活用により、医療費控除を受けられることが、厚生労働省、財務省によって承認されました。その手順は、以下の通りであります。

  1. 難聴患者は、まず補聴器相談医を受診し、必要な問診・検査を受ける。
  2. 補聴器相談医は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」に必要な事項を記入し*1、患者に手渡す*2
  3. 患者は補聴器販売店に行き、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、試用の後、補聴器を購入する。
  4. 患者は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと補聴器の領収書を受け取り、当該年度の確定申告における医療費控除対象として申請し、保存する。(税務署から求めがあった場合は、これを提出する。)

 

 

 

 要するに、

先に補聴器買ってからではなく、

まず先に耳鼻咽喉科で検査し、

「補聴器適合に関する診療情報提供書」を作成してもらい、

それをもって補聴器屋さんに行く、ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこの耳鼻咽喉科でもいいというわけでは無く、

補聴器相談医のいる施設で、ということです。

補聴器相談医名簿はこちらです。「補聴器相談医名簿」(栃木県)

足利市内では当院のほかには

「足利日赤」、「ふじさわみみはなのどクリニック」で書類作成ができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただ、この書類、結構記載項目が多い割には、

診断書作成の保険点数がゼロ、

つまり耳鼻科側には診断書料は一銭も入らない、ということです。

ま、いっか。(^^;)

 

 

 

 


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2018.06.23

症状と診断

子供が耳を痛がると中耳炎、外耳炎のことが多いです。

 

 

 

 

 

 

 

プール開きになり、全般に耳鼻科の外来は空いていますが、

最近、流行っています「溶連菌感染症」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、来院した4歳の男の子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後から耳が痛い、とのことで受診しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、耳垢をとって診てみても、鼓膜外耳道には異状なし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、のどを診てみますと、案の定、扁桃腺が腫れています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迅速検査で診断は溶連菌感染症。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抗生剤で症状はすぐとれますが、24時間の出席停止、

抗生剤は症状が消えても10日間内服し完全に除菌します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 扁桃腺の痛みを耳の痛みと感じることが多い、

というのは以前のブログ「耳痛の原因」で書きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 溶連菌の症状は咽頭痛、嚥下痛、発熱ですが、

子供さん、特に乳幼児の場合はのどの痛みがわからないこともあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここ最近、何人かいるのが、

熱が出て急に嘔吐したので小児科にったら胃腸炎といわれました、

というお子さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなの子のノドを診てみると、

溶連菌特有の「夕焼け状」の発赤を見つけることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 迅速検査で溶連菌強陽性。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1,2歳の子供はのどの痛みが表現できず、

よだれや嘔吐が主症状になることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので

「急な発熱と耳痛」が、急性中耳炎でないこともありますし

「発熱、嘔吐」⇒「急性胃腸炎、吐き気止め」

は、必ずしも正しくない可能性が、特に小さい子の場合は多いといえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそも、いまだに

「発熱」⇒「抗生剤」「解熱剤」

「セキ」⇒「セキ止め」

「感染性の下痢」⇒「止痢剤」

などという、間違ったステロタイプな処方をする

小児科の先生がいるので、がっかりしちゃいますが。

 

 

 

 


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2018.06.09

診療報酬改定に抗生物質の適正使用に関する加算が盛り込まれました。

 診療報酬改正といえばこの4月から今までにない点数加算が追加されました。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆小児抗菌薬適正使用支援加算:80点(新設)
【算定要件】
・急性上気道感染症または急性下痢症により受診した小児であって、

初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず

抗菌薬を使用しないものに対して、

抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合に算定する。

なお、基礎疾患のない学童期以降の患者については、

「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した療養上必要な説明および治療を行っていること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 要するに風邪ひいて熱のある子供に抗生物質がいりませんよ、

ということをちゃんと説明して抗生物質を出さないお医者んさんには

800円のご褒美を上げますというもの。

 

参考「風邪に抗生物質、使わない病院に報酬 耐性菌の抑止策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやはや・・・・(ーー;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もとより風邪の時には抗生物質は無効なので、出すべきではないが、

そのことを言っても言っても出しちゃうアホな小児科医が多いので、

ムチではなく、アメを与えてなんとか思いとどまらせようという厚労省の考えです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 抗生物質の濫用により耐性菌が増加していることは、

今や、全地球的な問題であり、

そのことは当ブログでも何度となく記事として取り上げたし、

そのために当院はNHKやテレビ東京のテレビ取材もうけました。

クローズアップ現代」「ゆうがたサテライト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、残念ながら風邪薬と称して

いまだに盲目的に抗生物質を処方するお医者さんのなんと多いことか・・・・。

近隣の小児科医院でもキチンと抗生剤使わずに

風邪の治療している先生の方が少ないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても、この点数改正。

医者はそんなにバカなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これによっていきなり処方内容を変える

お金儲け第一主義の医者がいたとしたら、それも情けない気がするけど、

こんな点数を新設しなければならないほど事態が深刻であることが、

医者や患者さんの間に少しでも伝わればいいことですが。

もちろん、小児だけではなく大人にも拡大してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この点数は算定要件があり、

一定の要件を満たした小児科の医療機関だけが請求できるので、

耳鼻科はもとより関係ないですが、

当院で風邪の熱発患者さんに抗生剤を出さなくなってから、

もう10年以上たつと思いますので、

いつも当院にかかってる方は、風邪に抗生剤がいらないことはわかってるので、

熱高いけど、風邪なので抗生剤なしで行きましょうね、

と言っても今はなんの質問も反論もありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、合併症さえ起こさなければ、ちゃんとみんな熱が下がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初のうちはお母さんから抗生物質は出してくれないのですか、

といわれたり、

薬局から、抗生物質が出てません、という照会があったりしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、この改定で小児科の先生方がどう出るか、見ものですが、

そのうちお母さんが「風邪なのにうちの子に抗生剤出てますけど。」とか

薬局から「この患者さんが風邪といわれたのに抗生剤が出てますがナゼですか」、

などという疑義照会が来る時代は訪れるのでしょうか?

 

 

 

 


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2018.05.29

学会にともなう休診のお知らせ

 毎年恒例の耳鼻咽喉科学会総会が今年も開催されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年の開催地は横浜。

例年は5月第3週の開催ですが、今年はやや遅い日程です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これにともない

6月1日(金)2日(土)は休診になりますのでご注意ください。

ホントは31日(木)も行きたいのだけれど、3連休はご迷惑がかかりすぎますので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、これも毎年参加している耳鼻咽喉科臨床学会。

昨年は山口で大雨災害で緊急避難勧告を受けましたが、

今年はこれもまた横浜開催。

会場も耳鼻咽喉科学会総会と同じパシフィコ横浜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このため6月30日(土)が休診になります。

もしかすると前日の29日も午後休診になるかもしれませんが、またご案内します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨年の総会は広島、臨床学会は山口で、

錦帯橋や秋芳洞のプチ観光もちゃっかり楽しんじゃいましたが、

今年は横浜なのでそれもなし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どちらも学会場のこのホテルを予約したので、

ずっとここにカンヅメ状態でしょう。

でも、ココに泊まったことないのでそれはちょっと楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 


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2018.05.23

鼻血のとめ方

 今朝の朝ドラ「半分青い」で鼻血のシーンがありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この鼻血の女の子がハナを抑えて仰向けに横になってるシーン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鼻出血の対処法として大変な間違いがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 救急処置の「止血法」の大原則は

出血部位を心臓より高い位置に保つこと、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 腕だろうが、足だろうが出血した時は

その出血部位を心臓より高い位置に保持することが基本です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それによって、心臓へ還流する流れをふやし、出血を緩和することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、

鼻出血の時は横になってはいけない

立位はいろいろ大変なので、まず椅子に腰かけさせることです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして上を向かないこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上を向くと血液がのどに流れ込んで凝固しにくいばかりか、

多量の血液を飲むと気持ちが悪くなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、椅子に座って「下を向く」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ひたすら圧迫です。

鼻に詰めたティッシュやガーゼは濡れても交換しないこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ついでに言うと、鼻根部をつまむのや、首をとんとんするのも意味がありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鼻出血の止血法は看護学校の耳鼻科の試験の大ヤマです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 NHKは、このシーンを医療考証の人に相談したのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 間違って世間に理解されてる鼻出血止血法がますます広がってしまう・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今を去ること20年以上前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある真夏の暑い日に、ワタシは当時小学校前後だった子供2人を

市営プールに連れて行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 子供2人でプールで遊ばせ、ワタシは日陰で本など読んで休んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時に、プールに来ていた小学校3,4年生くらいの男の子が

どうも鼻血を出したようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プールの監視員のオジサンのところにいって、

鼻血のことを訴えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワタシは遠くから成り行きを見ていましたが、

やがて、男の子は係のオジサンの指示で、

鼻を抑えてプールサイドの日陰に横になりました。

オジサンはその場を離れ、男の子は一人で横になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おやおや、ということで近くに行ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「まだ、鼻血出てる?」

とのワタシの問いかけに、うなずく男の子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うーん、じゃあ、ちょっと起きてみようか、そのまま鼻はおさえてて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と言って、男の子をベンチに座らせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくすると監視員のオジサン戻ってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こら、お前、寝てなきゃダメじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というので、あわててワタシ出ていきまして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あのワタクシ、いまは海パン一丁ですが、こう見えて本職は耳鼻科医でして、

鼻出血のときは横にならずに、すわらせておくのが止血法の基本です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、説明すると、オジサン、一瞬ぎょっとしたようでしたが、信じていただけました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、NHKもこの件に対しては訂正を行ってもらいたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2018.05.01

遅咲き?

数年ぶりの花粉の猛威で、

今年、不幸にも花粉デビューした方も少なくありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発症の低年齢化は進んでいて、子供の花粉症も多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、時々鼻水の出てる赤ちゃんを

「花粉症でしょうか?」と連れてくる親御さんがいらっしゃいますが、

赤ちゃんは基本的に花粉症はないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花粉症は持って生まれた体質に、

一定量の花粉の曝露が重なって初めて発症するので、

花粉症の発症までにはある程度の時間が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時間は個人差が大きいのですが、

以前、フォリピンからやってきたフィリピンパブのお姉ちゃんに話を訊くと、

来日して4,5年で発症という人が多かったので、

そんなもんであろうと思っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここ10年くらいはすっかりその手のお店に行く機会はなくなっておりますが・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、最近は3歳、4歳での花粉症のお子さんもけっこう見かけるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 物心ついたときから花粉症、というのはいかにもかわいそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、その一方、逆に年齢が進むと、免疫系の活性化が鈍り、

花粉症が軽くなったり、新たには花粉症にならなくなったり、

ということが言われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、日本人の平均寿命は世界最高レベルで、

元気なお年寄りはますます増えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この間、受診した女性。

昨年まではまったく花粉症はなかったそうですが、今年はどうもアヤシイ、

というので検査してみると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんとご覧のとおり、81歳にして花粉症デビュー。(@_@)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだまだお若い、おそれいりました。(^_^;)

 

 

 

 

 

 

 

 


4件のコメント
2018.04.17

朝ドラ「半分、青い。」はムンプス難聴のお話

NHK朝の連ドラ「半分、青い。」はムンプス難聴の女の子がヒロイン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムンプスはおたふくかぜのことで、

おたふくかぜではごく稀ですが難聴が生じることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頻度は、無菌性髄膜炎の1~10%、睾丸炎の20~40%に比べると

自然感染で0.01~0.5%と極めて少ないものですが、

多くは治癒する他の合併症と違い、

ムンプス難聴は基本的に治らない、ことが知られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年、日本耳鼻咽喉科学会が大規模調査をを行い発表したばかりですが、

2015-21016年の2年間に5565施設で348人がムンプス難聴と診断されております。

そのうち、317人が一側性の難聴ですが、

15人が両側難聴になり、

そのうち12人が人工内耳あるいは補聴器が必要なレベルであったとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラマの設定は1980年で、

おたふくかぜのワクチンの予防接種が開始されたのが1981年ですので、

この辺考証されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は「任意接種」でしたが1989年から「MMRワクチン」として国の定期接種になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、このワクチンでの「無菌性髄膜炎」の発生が効率に起こり、

MMRワクチンは中止、

以後ムンプスワクチンはわずか4年で再び任意接種となってしまいます。

定期接種の時に接種率が上がり流行が抑制されたが、

任意接種に戻って再び流行するようになったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おたふくかぜの感染力は強く

しかも耳下腺が腫脹する1週間ほど前から、感染力があるといわれ、

潜伏期間が2週間前後と長いのと、

不顕性感染(ほっぺたが腫れないおたふくかぜ)もあるため、

なかなか流行を阻止しにくい、という面があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳鼻咽喉科学会のレポートは、

このおたふくかぜの難聴の恐ろしさを世間一般に認知させること、

また、先進国の中で唯一定期接種化されていないおたふくかぜの予防接種を

定期接種にすることの重要性を述べています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聞いた話では、

保育園でおたふくかぜの子がいたとき、

わざと近づけさせて

自分の子にタダでおたふくかぜの免疫をつけさせようとした母親がいた、

なんてトンデモナイ噂も耳にします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その意味ではこのドラマが良い啓発になればいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、専門医ならではのツッコミたくなるポイントもまた多々あり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんで、子供が耳鳴りを訴えたときに産婦人科の余貴美子先生のとこに連れて行くのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、何でこのセンセイはいきなり大学病院を紹介するのか?

まず疑うのは突発性難聴と機能性難聴だから開業の耳鼻咽喉科でいいのでは。

もちろん、ムンプス難聴も血液検査ですからどこでもできますし、

この時代、まだCTやMRIはありませんので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんで、大学病院なのに担当の医者が自ら聴力検査してるのか?

普通は検査技師の方が検査しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 診断に2週間もかかったのはムンプスの抗体検査してたためだと思うが、

ちょっと長すぎるし、そもそもステロイド剤、いきなりやめていいのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 両親に診断の説明をしてるこの部屋は何の部屋なのか?

少なくとも耳鼻科の診察室ではないし、

説明だけならカンファレンスルームみたいなところでもいいのだが、

ここは明らかに他科の診察室風である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにこのお医者さん、御両親に対して不安をあおり過ぎ。

あれだけ畳みかけるようにいわれりゃ、そりゃお母さん、泣くわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たしかにいろいろな問題は今後想定されるが、まずは

「片耳聴こえなくても、今後反対の耳が聞こえなくなることはまずありませんし、

片耳だけでも十分コミュニケーションをとることができます。

生まれつき、片耳聴こえない方はほとんど普通の暮らしができますし、

将来の職業や資格に対する制限もそれほどありません。

まわりが、そのことを理解して、子供さんを見守りましょう。」

ぐらいなことが言えないのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 治らない病気なんだから、

まずは患者さんの不安を取り除いて勇気づけてあげるのが大事でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、地上波のドラマですから・・・。

 

 

 


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