じゃあ、オペしますか
「オペ」は医学用語の中でも良く知られた言葉。
これは英語の「operation:オペレーション」の略であると考える向きもあるが、
多分、ドイツ語の「Operation:オペラチオン」由来でしょう。
古くからある医学用語はほぼドイツ語由来だし、
英語のoperationは必ずしも手術の意味ではなく、
英語で手術は通常「surgery」です。
だが、ドイツ語で「Ope」といっても通じず、
オペは日本語、隠語、といったほうが妥当でしょう。
ちなみに英語で略語のときピリオド「.」をつけます。
「U.S.A.」「D.C.」「Mr.」「Jan.」「Sun.」「St.」「Ave.」etc.
そういえばエトセトラもetc.ですね。
研修医時代、「オペ」という語をカルテに書くときに
「ope.」ではなく「Op.」と記載するように先輩医師に指導されました。
英語の省略形は母音を省略するから母音では終わらない、と教わりました。
じゃあ「avenue」は「av.」じゃないのか、とも思いますが。
「AV」だと意味が変わってしまう、ということではないでしょうが。(笑)
まあ、「オペ」は日本語のいわゆるギョーカイ用語で、
「オペ室」「オペ患」「オペ日」「オペ出し」「オペ中」などと、フツーに使います。
「手術室の看護師さん」は「オペ室ナース」ですね。
そういえば、看護師さん、看護婦さんに関しては、
今は「ナース」という呼び方が定着しています。
むろん英語の「nurse」のことですが、
ワタシのお袋なんかは看護婦さんのことを「プレさん」と呼んでいました。
多分昭和初期の話。
これはドイツ語で看護婦さんをさす
「Pflegerin;プレーゲリン」に由来する言葉ですが、
ワレワレの時代から、この言い方はすでに使われてはいませんでした。
そういえば、患者さんのことをさす「クランケ」という言葉もすたれましたね。
さて、医者のほうです。
「医者」はドイツ語で「Doktor:ドクトール」または「Arzt:アールツト」です。
「どくとるマンボウ」は医者で、作家の北杜夫氏のエッセイシリーズですが、
まあ、医者に診てもらったことを
「ドクトル」に診てもらった、などという言い方は
昔もなかったと思います。
では、「医者」は何と呼ばれていたか?
医者は、かつては「お医者さま」といわれていました。
残念ながらこの言葉は、いまや、完全にすたれてしまったようです。(^^;
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