老人病と加齢性変化
先日もNHKで老眼の話をしていた。
40台を過ぎると遅かれ早かれ誰にでも現れる加齢性変化であり、
かくゆうワタシも、最近は顕著である。
かねてから「老眼」という名称は良くない、と思っていた。
誰でもなるんだから、もっと別の名前の方が良いんじゃないか。
「シルバー・アイ」ではヒーローものみたいだから
「アダルト・アイ」なんてのはどうか、などと思っていましたが、
最近は「老眼鏡」という言葉もマイナスイメージなので
「リーディング・グラス」と呼ぶらしい。
耳鼻咽喉科領域でもかつての「老人性難聴」は
近年「加齢性難聴」と言い換えられることが多くなったようです。
患者さんへの説明にストレスが無く、助かります。
いっぽう、鼻粘膜の水分吸着能低下によりサラサラの水パナが出る
「老人性鼻漏」「老人性鼻炎」は現在までのところ
「加齢性~」という呼称は聞いたことが無いので、
ちょっとためらいがちに病名を告げます。(^^;
他には、年齢とともに声帯の緊張が低下し、かすれ声気味になる
「老人性喉頭」と呼ばれる病態や、
のどの協調運動や感覚神経の鈍麻による誤嚥などについても
「トシのせい」という言い方は身も蓋もないので、
「年齢を重ねることによりおこる変化です」
などということが多いですね。
この言い方はまことに具合がよろしい。
結局は同じこと言ってるんですけど、
今後高齢化社会になるにつれ、
こういったケースは増えてくると思いますが、
こっちがもう老人になってきてるので、
もうちょっとすると
「〇〇さん、こりゃ、トシのせいだ。
オレも最近、そうだけど、まだあんたの方がマシだ。」
「そうかい、センセももうトシだかんな、がははは。」
なんて感じで、あまり説明に気を使わなくても済むようになるかな。(^^;)
まあ、そんなに長く医者続ける気もないですが。
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