ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.03.25

アレルギー検査陰性のアレルギー性鼻炎 その②好酸球性鼻炎

 前回からの続きです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、以前はIgE陰性ならみんな「血管運動性鼻炎」で良かったのですが、

最近はそうでもなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのひとつが「好酸球性鼻副鼻腔炎」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アレルギーは体を守る仕組みである「免疫」が、

体に有害な作用として働いてしまう一種の免疫の暴走です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 免疫には抗体を介する「液性免疫」のほかに

好中球やリンパ球などの白血球を介する「細胞性免疫」があります。

好酸球は白血球の種類のひとつで「好酸球性鼻副鼻腔炎」は

細胞性免疫の暴走、といってもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 好酸球性副鼻腔炎は先ごろ厚労省指定の難病に指定されましたが、

その概念は新しく、ガイドラインがやっと整備されたばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 細かい診断基準は割愛しますが、

IgE抗体陰性で血液中の好酸球が増多している人の中にはこのタイプの鼻炎があります。

喘息、とくにアスピリン喘息や

鼻茸を合併している人は可能性が高くなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 治療上の大きな問題は、普通のタイプのアレルギー薬が効きにくく、

ステロイドが著効する、という点です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、このタイプの患者さんで一定以上の症状の方は、

まずステロイドから治療をはじめないとまったくよくなりません。

漫然と対症療法をするのではなく、計画的に治療を進める必要があります。

自称花粉症の方の中にもときどきこの病態の方がいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、さらに第3の病態があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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