ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2018.06.09

診療報酬改定に抗生物質の適正使用に関する加算が盛り込まれました。

 診療報酬改正といえばこの4月から今までにない点数加算が追加されました。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆小児抗菌薬適正使用支援加算:80点(新設)
【算定要件】
・急性上気道感染症または急性下痢症により受診した小児であって、

初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず

抗菌薬を使用しないものに対して、

抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合に算定する。

なお、基礎疾患のない学童期以降の患者については、

「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した療養上必要な説明および治療を行っていること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 要するに風邪ひいて熱のある子供に抗生物質がいりませんよ、

ということをちゃんと説明して抗生物質を出さないお医者んさんには

800円のご褒美を上げますというもの。

 

参考「風邪に抗生物質、使わない病院に報酬 耐性菌の抑止策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやはや・・・・(ーー;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もとより風邪の時には抗生物質は無効なので、出すべきではないが、

そのことを言っても言っても出しちゃうアホな小児科医が多いので、

ムチではなく、アメを与えてなんとか思いとどまらせようという厚労省の考えです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 抗生物質の濫用により耐性菌が増加していることは、

今や、全地球的な問題であり、

そのことは当ブログでも何度となく記事として取り上げたし、

そのために当院はNHKやテレビ東京のテレビ取材もうけました。

クローズアップ現代」「ゆうがたサテライト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、残念ながら風邪薬と称して

いまだに盲目的に抗生物質を処方するお医者さんのなんと多いことか・・・・。

近隣の小児科医院でもキチンと抗生剤使わずに

風邪の治療している先生の方が少ないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても、この点数改正。

医者はそんなにバカなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これによっていきなり処方内容を変える

お金儲け第一主義の医者がいたとしたら、それも情けない気がするけど、

こんな点数を新設しなければならないほど事態が深刻であることが、

医者や患者さんの間に少しでも伝わればいいことですが。

もちろん、小児だけではなく大人にも拡大してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この点数は算定要件があり、

一定の要件を満たした小児科の医療機関だけが請求できるので、

耳鼻科はもとより関係ないですが、

当院で風邪の熱発患者さんに抗生剤を出さなくなってから、

もう10年以上たつと思いますので、

いつも当院にかかってる方は、風邪に抗生剤がいらないことはわかってるので、

熱高いけど、風邪なので抗生剤なしで行きましょうね、

と言っても今はなんの質問も反論もありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、合併症さえ起こさなければ、ちゃんとみんな熱が下がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初のうちはお母さんから抗生物質は出してくれないのですか、

といわれたり、

薬局から、抗生物質が出てません、という照会があったりしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、この改定で小児科の先生方がどう出るか、見ものですが、

そのうちお母さんが「風邪なのにうちの子に抗生剤出てますけど。」とか

薬局から「この患者さんが風邪といわれたのに抗生剤が出てますがナゼですか」、

などという疑義照会が来る時代は訪れるのでしょうか?

 

 

 

 

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