急性中耳炎に点耳薬は使いません
一般の人々ばかりか、お医者さんも勘違いしてるケースというのがあります。
急性中耳炎に点耳薬は使いません。
例外は鼓膜換気チューブが留置されてる場合だけ。
眼科領域では点眼薬(いわゆる目薬)が多用され、
その効果は当然認められています。
何となくイメージ的に目の病気に点眼が効くなら、
耳には点耳薬が効くのでは、
と思ってしまいますが、目と耳では実は全く話が違う。
中耳炎細菌が増殖しているのは「中耳」。
中耳は鼓膜の向こう側です。
耳の穴からクスリを入れても鼓膜で全部せき止められ中耳には行きません。
靴の上から水虫の軟膏を塗ってるようなものです。
この間、耳が痛くて夜間救急にかかったお子さんが、
担当医に点耳薬を処方され、おかげで痛みは止ったのだが、と受診されました。
それは、たまたまであって、点耳薬のおかげでは全くありません。
そもそも耳鼻科医がいない夜間救急に耳が痛い子供連れてっても無駄です。
当院のホームページにもありますが、
そんなときはまず「痛み止め」。
カロナールなどアセトアミノフェンが良いですが、なければ市販の頭痛薬で十分。
熱さましの座薬も使えます。
点耳薬なんて意味ないし、適当な抗生物質を飲んじゃう、というのも✖です。
そして、痛みが消えてもあとでちゃんと耳鼻科に受診すること。
痛み消えてれば、2,3日後でもOKです。
もうすぐ、お盆の休みに入りますのでこの機会に記事にしますが、
よく覚えておいて周りの人にも教えてあげてくださいね。
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