ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2017.04.01

花粉症はアレルギー科?

花粉症で医療機関にかかる場合、

耳鼻咽喉科や、内科、眼科などに受診することが多いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

中には整形外科に通ってるから、ついでに薬を、なんて方もいるでしょうし、

内科といってもいつも血圧でかかってるからこの時期、アレルギーの薬も出しとくねー、

なんていう「ついで」の処方で済ませてしまうことも多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、それですんじゃう人はそれでいいわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般の人は花粉症に関しては内科よりも耳鼻咽喉科の方が専門性が高いことは認識しており、

内科でよくならなければ耳鼻咽喉科を受診します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなにひどくなってからでは治療が大変だ、

最初から耳鼻咽喉科に来ればいいのに

と思いますが、

最初からみんな耳鼻科に来るとワタシは過労死してしまいますので、

それもまあいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近は「アレルギー科」という診療科があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花粉症はスギ花粉によるアレルギーなので、

耳鼻咽喉科にかかるよりアレルギー科にかかる方が

より専門性が高いのではないか、と思う方が

ひょっとしているかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは多分違います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギー科を標榜する先生は主に内科または小児科の喘息の専門家。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギーの3大疾患といえば

「気管支喘息」「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性鼻炎」で、

これらは互いに合併する場合も多く、

薬も共通のものが多いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膚炎は病変を見ることができるので、

内科の先生でも勉強と経験を積めば達人になることも可能かもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、アレルギー性鼻炎は難しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの内科の先生はハナの中の様子を見ることをしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問診や検査データで診断や治療をすすめると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例えば「ハナが詰まる」という訴えに対しても

鼻の粘膜が腫れての鼻づまりなのか、

濃い鼻汁が中で固まってしまっての鼻づまりなのか。

はたまた大人では鼻ポリープがあったり、

鼻中隔湾曲症によるもの、

子供ではアデノイドによる鼻づまりもありますので、

耳鼻咽喉科医なら一発でわかるものも診断が困難です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼻汁にしても膿性か、非膿性か、

膿性にしても鼻腔手前に充満していれば鼻腔内の2次感染ですが、

中鼻道から流れてきてるものでは副鼻腔炎を考えなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極端な場合、本人が「ハナが詰まる」といっても、

心因性で全く詰まっていない状態の方もいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これらの所見と、本人の訴え、検査データ、生活環境などを総合して

適切な治療を選択します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、こと花粉症に関してはアレルギー科よりは

耳鼻咽喉科が専門ですのでお勧めです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、あくまで一般論で

優れた内科医もいればダメ耳鼻科医もいますので、

結局は診療科よりは個人のレベルの問題ですけど。

 

 

 

 

 

 

 

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