ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2017.01.17

インフルな日々

 

 キビシイ寒さが続いているが、外来はそれほど混んでない。

 

 

 

 

 

 

 

 ただしインフルエンザは途切れることなく続き、むしろ増加傾向かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨年から流行してるインフルエンザはA型のH3でいわゆる「香港型」と呼ばれるもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近は検査キットの精度が上がったので発熱後すぐでもけっこう陽性検出可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インフルエンザのクスリはウイルスの増殖を抑えるので早期に使用した方が効果は高い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今のところ内服の「タミフル」吸入の「リレンザ」「イナビル」が主として使われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 点滴の「ㇻピアクタ」は通常の外来診療ではまず使わないし、

かつて用いられた「シンメトレル」はもはや使う医者はいないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この使い分けであるが、小さい子どもは吸入が難しいので基本は「タミフル」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カプセル、錠剤が飲める子供でも体重換算の関係から37キロまではドライシロップを用いる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただし、10代は以前の「異常行動」の関係からタミフル原則使用見合わせなので、

吸入薬になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大人ならばいいが、子供の場合は吸入がうまくできない場合もあるので、(大人でもあるけど)

1回の吸入で済んじゃう「イナビル」では失敗したら終わり、というのがあり、

小中学生には原則1日2回5日間吸入の「リレンザ」を勧める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大人はどれでもいいので1回吸入の「イナビル」が手軽で良いので勧めるが、

けっこう内服薬の方が安心、という人は多く、「タミフル」を所望される人は意外と多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今のところ効果に大きな差はなく、国立感染症研究所の報告でも

耐性ウイルスが増えてるという事実はないので、当院は以上のような基準で処方しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 検査陰性のヒトで抗インフルエンザ役を出すことはまずありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 臨床症状がそれっぽくても検査で陰性、抗ウイルス役を投与せずに経過を見たら、

その数週間後、また発熱で今度は検査陽性、という人がいたりで、

現在のキットはかなり信頼できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先に述べたように、以前に比べて発熱からの時間が短くても陽性になることが多く、

逆にすぐ調べて陰性で、熱が続くので翌日調べて今度は陽性、

っていう人は以前はいたが最近はまずいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところで、例えば兄が発症したから、下の子も一緒にタミフル予防投与ってのは、

保険適応が通らないのでできません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 予防投与は特殊なケース、

発症した場合生命の危険にかかわる状態にある人に限られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウイルスの耐性化と最近の耐性化はメカニズムが違うので、

抗ウイルス薬の乱用が、即、耐性インフルエンザの発生につながるわけではありませんが、

世界の過半数の量の抗インフルエンザ薬を消費する日本の医者は、

もうちょっと、感染症を勉強した方がいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしてもいつまで続くかインフルエンザ。

そのうち、B型が始まっちゃうかもね。

 

 

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