アデノイド手術後に起きた夜間の咳嗽
はじめまして。 突然の質問で恐縮ですが、ご意見をお伺いできましたらと思いまして。 私達はイタリア在住です。昨年4月ごろ3歳の娘の夜間の無呼吸に気づき、10月にアデノイドのみの摘出手術を受けました。アレルギー検査は全て陰性でしたが、炎症を抑える効果があるとのことで7~8月にあシングレアを服用していました。9月から術前ということで服用をやめると夜間に鼻水が落ちてか咳込むようになったのですが、術後1週間はそれもなくなり寝息もたてずに眠っていました。
ところがその1週間過ぎるとまたイビキをかきはじめ無呼吸になるようになりました。また夜間の咳も酷く殆ど眠れない状況です。
12月に一ヶ月点鼻薬を使いましたが改善されず、小児科医からは、アデノイドがすぐ再肥大したか、アレルギー反応があるのかもしれないと言われ、3日前から再度シングレア2ヶ月とジルテック15日間で様子を見るようにと診察されました。
苦渋の決断での手術の効果がたった1週間しかみられず、毎晩寝苦しく咳こみすぐに病気になる娘がとても不憫です。
他に考えられる病気がございますでしょうか?
日中は全く咳もなく、鼻水もでませんが、術後からよく指を鼻に入れるようになりました。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご意見を頂ければ嬉しいです。宜しくお願いします。
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ということで、新ブログになって初めてご質問いただきました。
しかも、イタリア!
ガンバレ、本田!
・・・の話はあとでするとして、このご質問。
症状は夜間の無呼吸、イビキ、鼻水が落ちて咳き込む、
日中は咳もなく、アレルギー検査は陰性。
アデノイド術後1週間ほどよかったが、また再発。
さあ、ナニが考えられるでしょう?
専門医の試験問題になりそうですね。
まあ、第一候補は副鼻腔炎の存在を疑う、でしょうね。
鼻の中、すなわち鼻腔に連続する空洞である副鼻腔は、
新生児、乳児にはありませんが、3歳過ぎ、体重にして12kgを超えるころから
目の下の上顎洞や、目と目の間の篩骨洞などが形成され始めます。
ここに炎症が及ぶと副鼻腔炎といい、
膿性鼻汁がたまった状態を俗に「蓄膿症」と呼びます。
症状は、鼻閉のほか後鼻漏によるタンがらみのセキが特徴で、
昼間よりもとくに夜間、寝入りばな、明け方、起床時、
また、走った後などに悪化します。
アデノイド肥大がある子は合併しやすいです。
術後の抗生剤投与により一時的に改善したものが、
完治してなかったために後に再燃した、という可能性はありそうです。
鼻のレントゲンで副鼻腔陰影の有無を確認する必要はあるでしょう。
そうでなかった場合、
喘息の合併発症、
検査項目になかった未知のアレルギーの存在、
いわゆるアレルギーの機序を介さない血管運動性鼻炎などの気道過敏症の存在、
扁桃肥大の影響、感冒の反復罹患による咳嗽の遷延、
等々、いろいろ可能性は考えられますので
一つ一つ確認する必要があります。
また、大きな声では言えないが「アデノイドの取り残し」ということも
ないとは言えない。
アデノイドは扁桃腺と違って被膜におおわれていないので、全摘出ではなく、
「削り取る」手術をします。
減量が不十分だと、すぐ再増殖で上咽頭をふさいでしまう、
という残念な結果も無きにしも非ず。
まあ、アデノイドは年齢とともに退縮するので、
少しでも減量できた、ということで再手術はしないことが多いですが。
レントゲンは簡単に撮れるので
手術後に検査をしてないのなら、一度確認してみてもいいでしょうね。
では、お大事に。
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