ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2012.07.27

記憶のかなたに

 
 この思い出はワタシの記憶の中で最も古いものに属するので、
多分まだ、小学校に上がる前だったと思う。
 何かの機会に親戚家族が集まって、
レストランで食事をした事があった。
 場所は覚えていないが親戚は東京におおいので
銀座か浅草かそこら辺りだったろうか。
 ともかく当時、足利のような田舎町にはないような、
大きなレストラン、あるいはデパートの大食堂だったかもしれぬ。
 ワタシはイトコ仲間でも最も年下であった。
 
 たしかその場にはワタシの両親は同席しておらず
叔父、叔母、イトコ連中とメニューを見ながら
何を食べるか決めていた。
 そもそも、我が家で外食というものを
ほとんど経験したことがなかったワタシは、戸惑っていた。
 当時のメニューは今のファミレスみたいに
写真がついてるわけではない。
 まだ、漢字は読めず、カタカナもどんな料理なのかよくわからないモノがある。
 「ボク、ドライカレーにする!」
 ワタシより5歳年上のイトコが言う。
 ・・・・ドライカレー、って、なんだ?
 イトコの場慣れた態度にますます気後れしてしまう。
「ヒロちゃんは、何食べる?」
「・・・・・・・・・。」
「なーんでもあるから好きなもの言ってご覧なさい?」
 実は頭の中には思い描いていた食べ物があった。
 普段、家庭では食べられず、
ずっと前お客さんがきた時などに何回か
お店に行って食べたお料理。
 美味しかった、またあれ食べたいなあ。
 でも、この食堂にあるんだろうか?
見たところ、ちょっとなさそうだけど。
「ホントになんでもあるの?」
「なーんでもあるわよ、何が食べたいの?」
「・・・・・・うーん。」
「さあ、遠慮しないで!」
 そして意を決して、ワタシはすごく小さい声で呟いた。
   「あのね、ウナドン……。」
 一瞬、その場に沈黙が走り、そして、
「ウナドン?鰻丼!鰻ねー、鰻はちょっと無いわねー、オーホッホ。」
 ほらみろ、やっぱ言うんじゃなかった。
何でもあるって言ったくせにやっぱり大人はウソつきだ。
「そうねー、カレーライスはちょっと
ヒロちゃんには辛いかも知れないから、
ハヤシライスでどう?いい?」
「・・・・・・う、うん、ハヤシライスで。」
 内心、ハゲシク傷ついたので、
実際のところは何を食べたかは全く覚えていない。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 もうずいぶん昔の話でした。
 今日は土用丑の日。
 今年はウナギの値段が高騰してるとのことで
さぞかし鰻屋さんは大変でしょうね。
 当院は一日早く昨日、
職員全員で恒例の美味しいウナギをいただきました。
001_20120727131600.jpg
 
 さあ、夏、本番!
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