今は香港
年明けからじわじわ増えてきたインフルエンザ。
今のところA型がほとんどです。
B型は20~30人に一人くらいの割合かと。
で、このA型、国立感染症研究所の解析によると、
ほとんどすべてがH3N2の「A香港型」です。
つまり、昨年、一昨年のいわゆる「新型」と言われた
H1N1pdm2009ではナイ。
今後、このH1N1の流行があるのか、
または今シーズンは現れないのか、
はたまたH1N1は「ソ連型」のように潜伏あるいは消滅してしまい、来シーズン以降ももう出ないなのか、
等々、気になるところではあります。
おさらいですが、抗インフルエンザ薬は現状では
内服のタミフル(カプセル、ドライシロップ)、
吸入のリレンザ(1日2回5日間)、イナビル(1回のみ吸入)、
があります。
この他に、点滴注射剤のラビアクタがありますが、
入院以外で使うことはまずないでしょう。
いずれも発症後48時間以内、早いほど良く効きます。
ところで、最近はインフルエンザ診断キットの品質が上がったのか、
ワタシの調べ方がうまくなったのか、
かなり診断精度が上がった印象です。
熱が出てあまり時間がたっていなくても、これはアヤシイ、というヒトはまず必ず陽性に出ます。
治療開始が早くなり治りもいいわけです。
今のところ、検査は陰性だがタミフル出します、という事例はありません。
やはり、まず鼻汁を良く吸引清掃してから、
上咽頭まで綿棒の長さいっぱいに突っ込んで
ぐりぐりする、ってのが大事でしょうね。
また、今流行ってるのが下気道(気管、気管支)でも増える「新型」でなく、
上咽頭に多くウイルスを出す「旧型」の「香港型」であるのも診断率の向上に関係してるかも。
(むしろ、こっちか。)
今日も、熱は36.7℃だが、全身倦怠感が強い患者さんが来院されたが、
検査するとうっすらだが、確かにA型陽性であった。
ところで、インフルエンザ、流行っちゃいるけど、
爆発的、というほどではない。
これは、学級閉鎖が功を奏しているとワタシは見ています。
以前は、インフルエンザでクラスの半数近くが休んでも、
なかなか学級閉鎖の措置が取られなかった。
給食の関係なんかもあるんだろうが、
1時間遅く登校とか、
感染制御にほとんど意味のないことしかしてなかった。
ところが2009年の「新型」インフルエンザの時に、
「新型」ということでどんどん学級閉鎖が行われた。
大体、学校とか、お役所とかの偉い人はアタマかたいので、
何より「前例」が大事なわけだ。
で、この新型インフルエンザ騒ぎが良い「前例」になり、
最近は学級閉鎖がスムーズに行われるようになった、
とワタシは感じているんですが、どうでしょう?
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