ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2011.12.28

お正月飾り


 昨日、自宅の玄関にお正月のお飾りを飾った。
 ホームセンターで980円、お飾り「大」は、なかなか立派なものである。
 かつては、このお飾りは街の露店の「お飾りやさん」で買っていた。
 毎年今頃になると、我が家の近くでは、
3丁目の足銀足利支店の前と、6丁目の公民館の近くに、
お飾りやさんの露店の店がオープンした。
 子供の頃は年末になると診察が終わった父と
一緒に歩いてお飾りを買いに行ったものだ。
 その頃は街中も人が多く、大通りは夜だというのにたくさんの人通りがあった。
 テントの中では、裸電球の下、
ちょっと怖そうなオジサンが2,3人と、
無愛想なオバサンがいて、
ワラ束やらミカンやら針金などがあって、
タバコを吸いながらその場でお飾りを作ったりしていた。
 すっごく大きなお飾りから、こじんまりしたものまで
さまざまなサイズがかけられており、
無論値札はナイ。
 父は、そのオジサンと何やら値段の交渉をして、
大体いつも、真ん中よりちょっと小さいサイズのお飾りを買っていた。
 子供としてはもっと大きい方がカッコいいのにと思うのだが、
父が払うお金を見て仰天するのである。
 えー、こんなにするんだー。
 じゃあ、あのおっきい奴は一体いくらなんだろう。
 いったいどんなお金持ちがあの大きなお飾りを買うんだろう。
 少なくともそれはイマイのサンダーバードの秘密基地があるような
かなり裕福な家庭に違いない。
 まあ、我が家はこんなものなんだ。
 そして、倹約家の父はかならず値段交渉後の最後に
そこらへんに散らばってるウラジロを、
2枚ほどおまけに付けてもらっていた。
 そして、白い息を吐きながら家に帰って、
玄関に「お飾り」を飾るのである。
母は自分の家でついたという患者さんにもらった
カレンダーくらいの大きなお餅をせっせと包丁で切っている。
 おまけのウラジロはミカンに挟んで、
カラーテレビの上の鏡餅に飾る。
 「年越し」というのは、まだその経験があまりない子供たちにとっては、
まさに心浮き立つイベントなのだった。
 
 ねえ、今日は紅白最後まで見ていい?
 でも決まって、眠くなっていつしか寝てしまうのだ。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ワタシが高2の時に父が死んでからは、しばらく我が家はお飾りを買うこともなかった。
 社会人になってからお飾りやさんに行くのは自分の仕事になったが、
数年前からはホームセンターで買うようになった。
 ずっと安くて、しかも、「明朗会計な」お飾りがかごにポンと放り込むだけで買える。
 でも、車で家に帰って玄関にお飾りをつける時、
子供の頃のお飾りやさんの裸電球と、
大晦日の我が家の光景が毎年思い出されるのだ。
 ことしも、あとわずか。
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