ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2011.02.13

真冬のアデノ


 連日、発熱のお子さんが多いです。
 特に小さいお子さんは、まだ自覚症状を表現できませんから、
視診、迅速キットなどの他覚的所見が重要です。
 まず、インフルエンザ患者さんとの接触の有無などを訊きながら、
鼓膜をチェック。
 ここで、明らかな中耳炎があって、
インフルエンザとの接触が無ければ、
まあ、「中耳炎のお熱」で、診断・治療を勧める。
 鼓膜に発熱の原因になるような異常が無ければ、
次にのどを見て、溶連菌感染などを診る。
 扁桃周囲のどぎつい発赤をみれば、
十中八九「溶連菌感染症」だから、
迅速検査をしてみる。
 看護婦さんに綿棒をもらい、
のどにぐりぐりで、早ければ1分以内に診断がつく。
 のどにも耳にも発熱のフォーカスが見当たらなければ、
インフルエンザの迅速検査。
 鼻汁の吸引清掃をして、また別の綿棒をもらって、
これは鼻からぐりぐり。
 そんなわけで、処置につくスタッフは、
常に2種類の綿棒をポケットに入れてすぐ出せるようにしてるのだ。
 昨日、来院された1歳の女の子。
 休日に発熱で救急病院を受診し、
インフルエンザの検査を受けたが陰性。
 でも、可能性はあるので、熱が下がらなかったらまた明日病院を受診してください、
と言われて、当院に受診。
 で、耳をみると中耳炎があり。
 しかし、程度から行くとで40度出るほどの所見ではないなあ、
と思いつつ、口の中を診てみる。
「あー、これだ、これだ、扁桃腺、腫れてますねえ。」
 ということで、お母さんに説明。
「検査をしてみましょう。はーい、アデノ取りまーす。」
「えー、アデノですかー。」
 扁桃腺と聞いた時から、溶連菌検査を想定してそれ用の綿棒を用意してたスタッフは
あわてて冷蔵庫にアデノウイルスの検査キットを取りに走った。
 結果、陽性。
 アデノウイルスは、主に夏に流行する「咽頭結膜熱(プール熱)」の
原因ウイルスとして有名です。
 飛沫、接触、糞便などから感染、潜伏期は4~7日程度だが、
型によっていろいろな臨床症状がある。
 抗生剤は無効で、
治療は症状に応じた対症療法のみだが、
発熱は5日程度の高熱が続きます。
 今回は眼は腫れていませんでしたが、
扁桃の溶連菌とは違う独特の腫れ方と、
鼻の吸引処置でアデノイド(鼻の突き当たりにあります)の腫れが感じられたことから
こりゃあ、アデノかIM(伝染性単核球症)だろーなー、と思ったわけだ。
 しかし、アデノといえば夏風邪の代表的ウイルス。
夏ならともかく、最近はこういうのが真冬にも出るので、
油断できませんなあ。
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2011.02.10

今年もおぐじびフットサル、開幕です


 朝、あんなに激しく降っていた雪だが
天気は急速に回復し、積もった雪もあっという間に溶けてなくなった。
 FCポルトが優勝した時のトヨタカップみたいになるかと思ったが、123-11_convert_20110210202040.jpg
夜7時、フットエナジーのコートは完全にドライ。
 着いてみると、我々の前に子供のフットサル大会でもあったらしく、
幼稚園~小学校低学年のチビッ子と若いお母さん方でいっぱいだった。
 しかし、サムイ。
 昼は気温が上がったのに、またこの寒さは何だ。
 風もビュービュー吹いている。
 子供は風の子だがジジイにはキツイなあ。
 そんな中、本年の「おぐじびフットサル」は開幕した。
 ともかく寒いのでじっとしていると耐えられない。
 かといって、走ってるとすぐ疲れて息が上がる。
 まさに進むも地獄、退くも地獄の展開なのだ。
(それほどのもんかい。)
 休憩を挟んで、後半戦を開始しようとすると、
オメプラール千葉がいない。
 「あいつ、どこ行ってんだ。」
 「そこらへんでくたばってるのかも。」
 「呼吸が苦しくて アドエア シムビコートでも吸ってんじゃねえの。」
 「いやいや、さっきの若いお母さんについてちゃったのかも。」
 などと勝手な事を言ってたが、実は脚がつって休んでたらしい。
 若いくせに軟弱な。
 後半戦、私とヒデ長崎、ブラックジャック亀井のドクターチームが
怒涛の攻撃で有利に試合を勧める。
 なんか、医者、元気だなあ。
 そんな中、後方から味方を鼓舞する相手チームのメタボ高橋。
「ほれっ、もっと走れ、走れ。」
 自分はほとんど動かない。
「時間がねえんだ、負けてんだぞ。」
 自分が何かするわけではない。
「ほれっ、攻めろ、攻めろ、全員総攻撃だ。」
それを、
「ラインを上げて、パワープレーだ。」
と、パナソニック松下が、サッカー用語に翻訳して味方に伝える。
「ほら、そこ、そこ、ダンゴになるな。」
 言ってる本人が単体で「ダンゴ」である。
 ところがその後、オグラが空振りして決定機を外し、
ヒデ長崎のシュートがことごとくポストを叩くうちに
6-6の同点になってしまった。
 しかし、最後、ブラックジャック亀井が勝ち越し弾を決め、
7-6となった。
「いやあ、いい試合だったな。」
 いや高橋さん、まだ試合終わってないけど、残り3分もあるぞ。
さっき、時間が無いといってた割に諦め早過ぎ。
 でも、このまま試合は終わり、
寒風の中の開幕戦は無事終了。
 しかし、最後はオレも足がつっていた。
 皆さん、風邪ひかなかったでしょうか。
 今年もよろしくお願いします。
 
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2011.02.09

雪の朝のお散歩


 本日2月9日は、めずらしく朝から雪が降りました。
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 神社の石段をすったかすったか登っていくと、
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 おお、雪だ!
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 わーーーーい♪
(珍しく、犬らしい行動のレディア。)
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 しかし、すぐ、飽きる。(この間わずか15秒)
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 雪がずんずんつもって、鹿さんみたいになった。
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 もういいや、早くかえろ。
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 おまけ。
 雪の上で「ンコ」を失礼。
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これが、ホントの「雪隠(せっちん)」です、なんちて。
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2011.02.08

すぐに身に降るながめせしまに

花の量はうつりにけりないたづらに
        すぐに身に降るながめせしまに

 【解釈】花(スギ花粉)の量はうつろいいくものだから
     何もせずぼーっとしてるとすぐわが身に降ってきますよ。
 【解説】スギ花粉の量は年ごとに大きく異なる。
     昨年少ない花粉量だったので
     治ったかと思ってぼやぼやしていると
     あっという間にわが身に降るように襲ってきて大変ですよ、
     という作者の警告を述べている。
    「いたづらに」は「むだに、むなしく」の意。
    「ながめせしまに」は「眺めせし、間に」で「もの思いにふけっている間に」であるが、
    「ながめ」は「物思い」と「長雨」の掛け言葉、
    この場合、その前の「ふる」も「時間が経過する」と「雨が降る」の掛け言葉である。
    用例)ながめせしまに⇒もの思いにふけっている間に
       ながしまに⇒ながしている間に
       おう、かねだ、ひろおか⇒おう、金だ、拾おうか
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 江戸の安政年間、紀州有田の濱口儀兵衛は
大地震のあと、海の水が引いて行くのを見て、
津波の襲来を予感し、自らの稲わらに火をつけて、
祭りの準備に気をとらわれている村人に避難を呼び掛け、
結果的に9割以上の村人の命を津波の被害から救ったという。
 最近かかる患者さんの中に、
耳鳴りや、風邪、インフルエンザなどで受診したが、
カルテをひっくり返すと、以前花粉症での治療歴のあるヒトがいる。
 ここ数年、花粉症の薬をとりに来てないが、
そういったヒトに、花粉症は大丈夫ですか、と訊ねると
他で薬をもらってるから大丈夫、という方がいる。
 それはそれで、結構なので、
内科の先生なんかでは説明しない様な専門的な注意事項だけ説明して終わりになる。
(これも大変だけど)
 問題は、
「最近は、症状があまり出ない。」
とか
「以前は花粉症があったが、もう治った。」
などとおっしゃる方である。
 そういった方には、メンドクサイけど、
ここ数年、特に昨年の花粉の量が少ないことを説明し、
花粉症が基本的には治らない病気であることを説明し、
今年がどれだけ花粉が多いかを話し、
薬を出すか、また、薬なしで防御を強化して、
少しでもヤバければ来てもらうかなどの相談をしなきゃならない。
 忙しい時にカルテの前のページにそういった事実を発見すると
ああ、見なかったことにしたいなあ、という気持ちが芽生えるのだが、
濱口儀兵衛の話を思い出して、勇気を奮いたたせて話し始めるのであった。
 津波、来ますよ。
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2011.02.07

知る人ぞ知る


 昨日は夕方足利市民プラザへ。
 来る2月20日に行われる「ロック&ポップスLIVE」の
事前のワークショップ。
 初参加のバンドにリハーサルの前に本番のステージで練習させてくれるという
太っ腹な(過保護な?)企画だ。
 我々のバンド「オーディオメトリー」は、メンバーの都合がつかず、
リハには参加できなかったが、
見学くらいしとこうと、ベースの添野君と出かけた。
 なんか、みんな上手いなあ。
 練習を見てるとどのバンドもそつない演奏だ。
 しかし、メンバー間のダブりが多く、
2つも3つも掛け持ちしてるヒトもいる。
 どうも、多くが同じミュージックスクールの生徒らしい。
 なるほど、ヤマハ音楽教室のピアノ発表会みたいなもんか。
 何せ、こっちは初参加だからわかんないことばっかだ。
 そんなときいきなり近くで見てたヒトに
「オーディオメトリーの方ですよね。」
 と、声をかけられてびっくり。
 な、なんで知ってるのだ。
 この間、スタジオで
「CRPの方ですよね。」
と声をかけられた時もビックリしたが
まあ「CRP」はもう7年もやっててあちこちでライブもやってる。
 しかし、「オーディオメトリー」はまだ、だれも見たこと無いはず。
 人前で演奏するのは、本番当日が最初になる。
 そもそも、今年になって初めてメンバーがそろって練習を開始したとこで、
練習そのものも2,3回しかしてない。
(そんなんで、出るのか。)
 新年会も貸し切りだったので、このメンバーでメシを食いに行ったこともない。
 なんでだー、と思ったが、
「いやボク花粉症で、センセイんとこかかってます。
このイベントボクも出るんで、このチラシ見て、
ああ、耳鼻科のオグラセンセイ、オーディオメトリーってバンドなんだ、
と知ったんで。」
 なるほど、耳鼻科のオグラを知ってたわけね。
「あー、そうですか、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、また花粉症の薬、とりに行きます。」
 なんて会話をしてしまった。
 そうだったのかー、でも早く来ないと花粉がもう飛んじゃうぞー。
 ところで、ロック&ポップスLIVEのチケット、
小倉耳鼻科で500円で絶賛発売中です。
(でも、売れたのは、まだ2枚。)
 「オーディオメトリー」の出番は12バンド中5番目、
午後2時45分から3時5分の予定になりました。
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2011.02.06

田子の浦に


田子の浦にうち出でてみれば真っ黄色にぞ、
      富士の高嶺にスギは降りつつ

 【解釈】田子の浦まではるばる来てみると、富士山に真っ黄色にスギが降っているようであるよ。
 【解説】田子に浦に出て富士山が見えると、スギの花粉が多いためか、
     真っ黄色にけぶって花粉が降っているかのようで、
     今年は花粉量が多くて困った、という作者の嘆きを表している。
     この歌、万葉集では、「田子の浦に~降りつつ」ではなく
     「田子の浦~降りける」となっている。
     この場合の「ゆ」は細いところを通って、広いところに出る、という意味を持っている。
     したがって解釈は「田子の浦を通って視界の開ける場所に出てみると~」
     と訳さねばならない。
     用例)長道恋ひ来れば⇒長い道のりを恋慕いて来ましたら
        FC東京、チェザーナインテルに⇒FC東京、チェザーナを通ってインテルに
        川原温泉に行く⇒川原を通って温泉に行く
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そういえば八ッ場ダムのとこの川原湯温泉はどうなるんでしょう。
 なんてことより、忙しくてブログどこではなかった。
 急にあったかくなって、花粉も飛んじゃうんじゃないか、
とあせったヒトは、私以外にも多かろう。
 昨日土曜日は花粉症の薬をとりくる方が多数来院し、
まあ大体は年いっぺん来る方々だが、
昨年の状況をうかがい、今年は昨年の5~10倍ですからどうしましょう、
と作戦を考える。
 薬の種類を変えるか、このままで行くか、また何か追加するか。
 そして、また花粉対策のポイント、注意事項を確認して、
また来年会いましょう、
今シーズンの成功を祈る、なんて。
 それにしても、診察、相談して話すこと多いので早口で説明するんだけど、
処置や検査をするわけでないので、診察料だけなんだなあ。
 内科だと患者さんの顔見るだけで
「特定疾患ナントカ加算」「生活習慣病管理料」とか、いろんな点数が取れるんだが、
耳鼻科はそういうのがないのだ。
 まあ、アレルギーの薬は高いので、
患者さんは薬局でいっぱいお金払うから、
耳鼻科外来でお金いただくの申し訳ないからまあいいんですけど、
けっこう説明疲れるんですよ。
 そう、どっちかっていうと、お金の問題より実際悩んでるのは
ライブがあるので、声帯をあまり酷使したくない、ってことなんだなあ。
(毎日、外来終わると声がガラガラです。)
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2011.02.01

10~11シーズンのインフルエンザ事情


 インフルエンザは流行のピークなのか、
毎日たくさんの患者さんを診察します。
 昨年から、インフルエンザであることが確実であれば、
簡易検査をしなくてよい、ということに変わったので、
家族内にインフルエンザ確定診断のヒトがいて、
本人の診察結果が明らかであれば、
(中耳炎や溶連菌感染の所見が無ければ)
すぐタミフルやリレンザを出します。
 逆にいえば、簡易検査してインフルエンザ出なかった患者さんに、
インフルエンザの薬を出すことがほとんど無くなりました。
 簡易検査はかなり精度があがり、以前は半日たたないと出ない、
などといわれてましたが、けっこう早く出ますね。
 こっちの取り方がうまくなったのか、
(ともかく鼻汁を良く吸引してから検査すること)
でも多分、キットが改良されてんだろうなあ。
 時間も説明書では反応を15分待つのですが、
今は大体2、3分、早ければ1分以内に「陽性」が出ちゃいます。
 この間の研究会で、子供は初期から検査をして、
重症化を防ぐべきだ、と聴いたので
熱が出て時間がたってなくても、早めに検査をしています。
 また、周りにインフルエンザ患者がいて、
本人は最高37.2℃までしか熱上がんないけど、
という大人の方の検査をしたところくっきり陽性が出たりします。
 簡易検査の本領発揮ですね。
 感染拡大の阻止に大いに役立ちます。
 一方、昨年と違い、インフルエンザに社会が慣れた面もあります。
 先日、幼稚園のお姉ちゃんがインフルエンザ陽性で、
隔離ベッドで待っててもらいました。
 すると下の子を連れたお母さんが同じベッドで待とうとするので
スタッフが声をかけたところ
「どうせ、もう感染っちゃってるし、この際、下の子もかかった方が都合がいい。」
などという方がいらっしゃった。
 インフルエンザはウイルス疾患なので、
かかるにしても「薄く」かかった方がいい。
 今、上の子はたくさんのウイルスを持ってるので、
これで下の子が「濃く」かかると重症化することもあるんですよ。
ということを説明し、別の場所で待ってもらった。
 昨年「新型インフルエンザ」が登場した時は、
マスコミが大騒ぎし、新型ワクチンに長蛇の列ができ、
それこそ、ペストかエイズかという位に恐れられたものだが、
わずか1年で、ここまで意識が変わっちゃうんだなあ。
 その一方で、じわりと鳥インフルエンザが流行ってるのが気がかりです。
(ヒトヒト型に変異しませんように)
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医療系をまとめました。
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