ビキニと長門~負の遺産、その2
昨日、浦和レッズの「負の遺産」なんて記事を書いたら、
テレビでびっくりするようなニュースを目にした。
ご存知のかたも多いでしょう。
あの「ビキニ環礁」が世界遺産に登録されました。
美しい太平洋のマーシャル諸島のビキニ環礁は
世界自然遺産ではなく世界文化遺産として登録されたのです。
1946年のアメリカの原爆実験によって、
美しい南の島は破壊されました。
第2次世界大戦後の冷戦の開始を告げる出来事でした。
それから、66回にわたり核兵器の実験が続けられたという。
そのうち1954年の水爆実験で日本の第5福竜丸はその「死の灰」をあび、
原水爆禁止への更なる運動のきっかけともなりました。
避難の指示が無かった付近の島民も多く亡くなったり、白血病等を発症した。
ビキニ環礁の島民は、強制移住させられ、
いまだに帰島できない状況だという。
1946年の実験では艦船に対する威力を調べるため多くの艦が爆心地に浮かべられた。
連合国の戦艦アーカンソーや空母サラトガなどの退役艦とともに
連合艦隊の象徴とも言える戦艦長門も沈んでるんだよなあ。
そのほか、戦後復員船として働いた軽巡酒匂とか、
ドイツの重巡プリンツ・オイゲンも確か一緒だった。
子供の頃、アーカンソーや酒匂などは一瞬で沈んだが、
長門だけは数日間浮いていた、という記事を読んで、
大和より長門が好きなオレとしては、やっぱ、長門はすげえ、と思ったものだが。
(爆心地からの距離の関係もあったらしい。)
ともかく、おろかな原水爆の開発競争に対する、
「戒め」としての「負の遺産」なわけで、
人類が、これを再び認識するのはおおいに意味がある。
しかし「遺産」という言葉に「歴史上の過去のもの」
という、ニュアンスが汲み取れるとすれば、
現在も核を保有する大国が世界を牛耳り、
また核開発をもくろむ国々が地球上に存在する以上、
この「遺産指定」がちょっとビミョーと感じてしまう。
ところで、この「ビキニ環礁」のビキニが、
水着の「ビキニ」の語源だって知ってる人、意外と少なかったりして?
(我々もと軍艦オタク少年の間では常識なんですが。)
ビキニは、そのデザイナーが水着発表直前にあった原爆実験をイメージして、
それくらい「爆発的にインパクトがある」という意味で命名した、
けっこう不謹慎なネーミングなのです。
(「ヒロシマ」とかだったら、どーすんだ。)
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