突発性発疹かも。
1歳前後の赤ちゃんが発熱で来院。
39度を超える熱で昨夜夜間救急にかかったという。
担当の先生は
「うーん、耳が赤いかなー。」
といって、中耳炎の診断で抗生剤が出たという。
今朝になっても全然熱下がりません。
じゃあ、診てみましょうかね。
鼻水も咳もない。
熱は39度を超えかなり高いが、その割に機嫌は悪くない。
で、鼓膜を診ると何ともない。
胸部聴診も異常なし。
「風邪かねー、突発性発疹かもなー。」
ということで、お母さんに説明し経過を見ましょうと。
薬はなにもなし。
鼻も咳もないし、出す薬が無い。
抗生剤なんてもってのほかだ。
担当の先生はよくわからないので
「中耳炎だといいなあ。」
と思ったに違いない。
鼓膜が見えたかどうかわからないが、
「鼓膜が赤いといいなあ。」
と思ったに違いない。
すると、何となくそう見えてくる。
でもその気持ちはわからないでもない。
オレだって鼓膜所見よくとれないころは、そーいう時期があった。
まあ、熱があってぎゃあぎゃあ泣いてればフツー鼓膜は赤いし。
でも、たとえホントに「急性中耳炎」で鼓膜が赤くて熱があっても、
それだけでは抗生物質は使わず、数日経過をみる、
というのが今日(こんにち)の急性中耳炎のガイドラインですけど。
突発性発疹は4カ月~1歳前後の子がかかる感染症で、
ヒトヘルペスウイルス6型7型の感染であるということがわかっています。
(私が学生のころは「原因不明だがウイルスと思われる」と教わった。)
高熱が2~3日続き下がると全身に発疹が出る、
ということなので、
「診断がついたときには治ってる」というとこが厄介ではある。
だから「突発性発疹かも」としか言えないわけだ。
中には発疹が出ない子もいるので、これに至っては診断不能だ。
(おたふくもあるでしょ、腫れたことないけど調べたらかかってた、ってやつ。)
どっちにしろウイルス性の「風邪」なので治療は抗生剤など使わず、対症的でいいわけだ。
まあ、症状あれば、鼻水の薬とか、整腸剤とか。
まあ、赤ちゃんが最初に熱出すのはこれ、ってパタ-ンは多い。
薬は必要ないが下痢とけいれんに注意。
さて、この子も数日高熱がありましたが、
救急でもらった薬、どれも飲まないでいいからと説明し、
その後、無事に(?)発疹が出て治りました。
(実はこの子、半月前にも高熱で受診し、
「突発性発疹かもねー。」といって、
なにも薬ださず熱も下がったが、そん時は発疹出なかった。)
夜、4か月~1歳前後の赤ちゃんが熱を出したら、
全身状態を観察して 翌日に、医療機関(なるべく耳鼻科)を受診しましょう。
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