ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.12.31

マダムの天ぷら


 さて、いよいよ大晦日ですね。
 朝、犬の散歩ついでに、織姫山の「蕎遊庵」によって、頼んでおいた年越しそばを持って帰る。
 このお蕎麦屋さん、結構おいしくて有名です。
おりひめ茶屋 蕎遊庵」参照。
 毎日犬の散歩で登る織姫山の神社のちょっと下にあります。
 年越しそばと言えば、妻との会話で思い出した医局時代のお話があります。
 今を去ること約20年前、私と妻は大学の耳鼻科医局に勤務していました。
(まだ、独身でした。)
 毎年、年末になると、最後は医局や研究室などの大掃除をし
みんなで年越しそばを食べて仕事納めになります。
 そのそば代は毎月医局員から集めている医局費から支払われます。
 そばは近所のお蕎麦屋さんからとるのですが、医局費が限られてるため、
「もりそば」を頼んで、
天ぷらはスーパーとかで買って安く上げます。
 その天ぷらを買ってくるのは新人の仕事。
 ある、年末のこと。
「じゃあ、S先生、これで天ぷら買ってきて。」
と、医局の会計の先生からお金を手渡されたのは新人の女医、S先生でした。
 このS先生、新人とはいえ、既婚者でその年に結婚しています。
 何でも、実家は老舗の造り酒屋で、大変な資産家らしい。
お手伝いさんなんかもいる、いわゆる「お嬢様」。
リッチでグルメでおしゃれでゴージャス好き。
態度も落ち着いていて、新人らしからぬ「貫禄」があります。
 その雰囲気からニックネームは「マダム」。
 みんなが「マダムS」と呼んでるツワモノでした。
 さて、大掃除が終わり、そばも届き、マダムSが天ぷらを買ってきました。
「さあ、食うぞー。」
「・・・・あれ、天ぷら、こんだけなの、S先生?」
「それだけしか買えなかったんです。」
「えー?」
 マダムはグルメなのでいつも医局員が買出しに行く近所のスーパーではなく、
駅の近くの「デパ地下」で1本400円もする「特大車海老天」を買ってきたのです。
 イカ天、野菜天、かきあげ、小さいエビ天なんかを買ってもらうつもりでお金を渡した会計の先生の、
「S先生、なんだって、こんな高い天ぷら買ってきたの?」
との、問いに、S先生は平然と、のたまわった。
「だって、こっちのほうが美味しいでしょ。」
 医局員一同、マダムのその堂々とした態度に誰も全く反論できず、
その年は、ジャンケンで負けた人は、泣く泣くただの「もりそば」を食べたのだった。
 あれから20年ほども経ちますが、私も妻も結構鮮明に記憶してました。
ただ、自分が天ぷらが食えたかどうかは、どうもよく覚えてないんですが。
(ということは、食えた、って事だろうか。)
                     
 さて、今年2009年も「ロックな耳鼻科」ご愛読、誠にありがとうございました。
 来年も、より一層がんばりますので、応援よろしくお願いいたします。
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 それでは、良いお年を!

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