ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.11.24

インフルエンザキットの功罪


 新型インフルエンザ、いつまで続くんでしょうね。
 毎日、検査、説明の繰り返し。
 同じことをいちいち説明しなきゃなんないのは、花粉症のときと同じ。
 まず、新型であること、学校への届出、休む期間、証明書について。
そして、感染の様式、マスク・手洗いの必要性、食事・寝室・トイレの注意。
抗ウイルス薬の説明、タミフルとリレンザの同じ点と違う点、服薬期間。
合併症・重症化について気をつける症状、解熱剤の考え方、併用薬。
家族に発症した場合、不顕性感染、予防接種の考え方。
 これらのことを患者さんの反応を見ながらもれなく話さねばならん。
 たまたま、一緒に結果が出た人は2人まとめて聞いてもらったり。
これも花粉症のときと同じだー。
 おかげで声がガラガラだー。
 まあ、この新型から
「因果関係が明らかでインフルエンザと診断できる」ものについては
簡易検査をしなくてもタミフル、リレンザを出していいことになったのは助かります。
この8月に出た通達です。
 ところが、昨日の休日、昼飯食ってると病院の電話が
「もしもし、Tですが、子供が熱を出しまして・・・。」
「ああ、お姉ちゃんが5日前、お母さんが2日前にインフルエンザでしたから
インフルエンザでしょうね。」
「それで、昨夜救急で病院かかって・・・。」
「夜間かかったのか、インフルだからタミフルかなんか出たですね。」
「それが、検査陰性で、明日熱があれば、またかかるようにと。」
「いや、それもうインフルだから薬出していいのよ、小さい子だし。
じゃあ、休日診療所に電話して、もう検査要らないから診察だけで、タミフル出してもらって。」
「それが電話したら50人待ちで・・・。」
 そりゃ、しかたがない、ってことで
患者さんに来てもらって診察してタミフル出しました。
薬剤師さんとこにも電話して来てもらって。
もちろん診察で中耳炎、その他の発熱の原因等の無いことをチェックしますが
インフルエンザの簡易検査はしませんでした。
 そもそも、これは、その救急の医者が、きちんと
「インフルエンザです」、と診断すれば
もっと簡単に済んだ話。
 厚労省の8月の通達を知らないのか、
こんなん症状も状況も、インフルに決まってるじゃん。
 まして小さい子だし、何より 翌日も休日 だってことはわかってるはず。
 その前も、夜間に救急病院かかったのに、
3時間も待たされて検査陰性ですと返された園児がいた。
そこんちも1日前にウチでお兄ちゃんがインフルエンザと診断されてる。
こういう子は検査いらないでしょ。
 検査キットができてから確かに診断は簡単になったけど、
医者は、いや人間は何千年も前からインフルエンザを診断してきたわけだ。
 まさに検査結果だけ見て患者さんをみない医者って事です。

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