ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.04.16

お約束のドクター・ホリデイ掲載原稿、全文です。

 皆さんは星占いを信じますか?私は、断固信じません。
 もちろん、医者たるもの科学者のはしくれですから、そんな非科学的なことは信じない、
というのは当然のスタンスですが、私の場合もっと積極的な理由があります。
 協和発酵の方からこのテーマの原稿を勧められた時、浮かんだのは、ある男のことです。
 それは、生年月日が私と同一、幼稚園、小学校、中学校、高校が一緒で何と現在、
当院のすぐ近くで調剤薬局をしている薬剤師、小峰衆一君の事であります。
 生年月日が同じってことは、星占いも同じなわけで、こやつと同じ運命とはというのはどうも私には受け入れがたい。
 付き合いの最初は、幼稚園のクリスマス会でキリストの生誕劇をやった時、私が東方の博士で、彼が羊飼い役だった以来だから、そりゃクソ長い。
おまけに、小学校3年生から同じクラスになり、小学校の時のサッカースクール、中学も当然サッカー部で一緒、中学時代はついでに生徒会なんかも一緒にやってました。
 この男の性格は、一言でいうとトンデモナイ。頭は切れるが、スケベで、酒好きでいいかげん。小学校、中学校時代は彼のせいでずい分先生方におこられました。(彼にいわせると、逆のことを言いますが。)
 小学校6年生の頃、担任が出張で授業が自習になりました。図工だか、なんだったか。
ともかく、ナンカのきっかけで私と彼はクラスの女の子の顔に絵の具で次から次へと落書きをし、女の子がとなりのクラスの先生のとこに駆け込みました。
 早速、呼び出し。2組のK先生は女の子たちに訊きました。
「この二人に、私がビンタをくれるのがいいか、それとも、君たちが好きなように二人の顔に落書きをするか、どっちか選びなさい。」
クラスの女の子は「落書きの刑」を選びました。
そして、油性マジックで我々二人は顔中落書きだらけにされてしまいました。
「帰るまで、そのまま落としてはいけない。」
と先生に言われ、そのまま給食を食べ、
昼休みはその顔で、驚く下級生たちの前で校庭でサッカーをし、
午後の授業を受けて帰りの掃除の時間になりました。
 我がクラスの担任、通称「ヒゲナマズ」が帰ってきました。へらへら掃除をしてた我々の顔の落書きだらけの有様を見て
「なんだっ、お前らその顔はっ。」
「いやこれは、自習時間に、かくかくしかじかで・・・。」
って、全部説明が終わんないうちに
「バカヤロ、(パン、パン、パン、パン)」
と、二人とも往復ビンタ。
「顔、洗って来い。落とすまで帰ってはならん。」
と、怒鳴りつけられました。
季節は真冬。手洗い場で冷たい水を流し、
蛇口にぶら下がったネットに入った石鹸で顔をゴシゴシやると、
ビンタもらったほっぺたが痛いのなんの。
「油性、落ちねえな。」
「しかし、最初んときにビンタもらってたほうがよかったな。」
「結局ダブルで食らっちまったな。」
 おー、今思い出してもおぞましい。こんなエピソードはまだまだいっぱいある。
その後も、中学でもこいつといると、どうも先生に怒られる。
高校でクラスが離れ、大学は、もちろん全く関係がなかったので、
もうすっかり忘れていたのだが・・・。
 開業の時に、また彼が現れたのだった。
院外処方を持ちかけられそのまま、もう10年以上も調剤をお願いしている。
大体、就学や理科が苦手で、政治学、経済学は教師も舌を巻くほどだったバリバリ文系のコイツが、何で薬学部出て薬剤師なんかなってんだ。
 まあ、読書家なのは昔からで、膨大な知識を持ってるが、
最近もよく文献を調べたり学会や研究会に積極的に参加し、
私の知らない知見を教えてくれたりする。
(あるいはオレを出し抜こうとしている?)
まあ、その点非常に助かってるし、処方や疾患の上での疑問点をバシバシ直接訊いてくれるのは、医者と薬剤師の関係として、とても良いことだ。
 開業医という、閉塞しがちな立場で、役に立つ知見や情報は何よりも大事。
そして、お互い忌憚のない意見がいえることが、患者さんの役に立ってるのかなーと思っている。
 しかし、よりによってこいつとこんなにずっと付き合うとは思わんかった。
やっぱ、星のめぐりが悪かったのか。あ、いや、星占いは信じないんでした。
サッカーはさすがに最近はフットサルになったが、
カヌー、スキー、ダイビングと相変わらずよくツルんで遊んでる。
 まあ、これからもよろしく、とりあえず。
って、感じ。

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