ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.02.04

備えあれば

 さて、今年もあのいやな季節がやってきます。
そう、スギ花粉症。
 いまや国民病とも言われますが、今年もかなり飛びそうです。
 花粉の飛散量は前年の夏の気温、日照で決まることが近年わかってきました。
昨年は、梅雨明けが早く猛暑でしたが、お盆過ぎに天候不順になったので
花粉の量は平年よりやや多目くらい、というのが私の予想です。
 花粉症は初期治療といって、症状の出る前から薬を飲むことで
アレルギー反応の発現を抑えることが出来ます。
その効果のピークまでに2週間ほどかかるので、
花粉が飛び始める2週間前から飲むのがベストといわれてます。
 患者さんが薬を取りに来ます。
「花粉症の薬をください。」
「どれくらい、出しましょうか?」
「どれくらい出せるんですか?」
「いくらでも出せますよ。」
というと、初めての患者さんはびっくりされます。
 7~8年前ですか、それまで「2週間が限度」だった健康保険の規定が変わって
「医師が必要と認める期間まで」
と、処方箋の限度日数が変わりました。
 当院では、基本的に血液検査をしてるので
スギ花粉症なら2ヶ月間、ヒノキもあれば3ヶ月間をまとめて処方します。
だって、それだけ必要と考えられますからね。
 もちろん、病院の収入とすれば、1~2週間にいっぺん通院してもらった方が
利益が上がります。薬局も、現在は薬価差益(薬の仕入れ値と売値の差)が
原則0円なので、調剤料が稼げないので長期処方は不利です。
でも、患者さんにとってどっちがいいかといえば、長くもらっといたほうがいいに決まってます。
忙しくて薬を取りにいけず、花粉症のピークの肝心な時に薬が切れちゃったら大変です。
そもそも、花粉症の頃の耳鼻科は混んでるので、余りかかりたくありません。
 そんなわけで、当院では必要な分を2ヶ月でも3ヶ月でもまとめて持ってってもらう方針です。
自分がかかるならそういう病院のほうがいいですからね。
患者さんも、受診の手間ばかりではなく、再診料、処方箋料の点で助かるはず。
1年に一回しか会わない花粉症患者さんはいっぱいいます。
 年に一回来て、昨年の状況を聞き、今年は昨年と比べて花粉の量がどうだから、
去年より薬を増やそう、、減らそう、あるいは強くしよう、弱くしよう、などと相談して
今年の分を持ってってもらうのです。
もちろん、花粉症の一般的な注意事項や、最新のトピックスもお伝えします。
 そもそも花粉が飛び出したら、外出は控えたほうがいいので、
そんな時、病院なんか来るべきではありません。
花粉症の治療で病院に来たって、鼻の処置や吸入はあまり意味が無いばかりか
かえって発作を誘発しちゃうので、副鼻腔炎などの感染症を併発した人しか行いません。
 もちろん、薬を飲んでいてコントロールの悪い人や、合併症を起こした人は受診してもらい、
原因と対策を相談します。
 さあ、恐怖のシーズンはもう目前です。
まだ薬とリに来てない人、早く来てくださいね。

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