後鼻孔ポリープ
今日は、朝から天気が大荒れです[emoji:v-279]。
一方、そのため外来は平穏です。
よかった、今日はオペがあるのじゃ。すいてて好都合[emoji:v-290]。
本日は「後鼻孔(こうびこう)ポリープ」の鼻内手術です。
「後鼻孔ポリープ」とは、いわゆる鼻茸といわれるものが、
鼻の後ろの穴のほうまで大きくなって、塞がっちゃった状態、ってとこですかね。
患者さんの症状は、鼻づまり(それもかなりひどい)です。
今日の方も、左鼻のポリープが鼻の後ろを回って右まで来ちゃってるので、
ゼンゼン鼻が通らない、って方でした。
最近は、内視鏡を使って手術します。
術前にも内視鏡で、検査をしますので、職員もみんな、「モノ」を見てるわけです。
「後鼻孔ポリープ」の手術は、時々ありますが
職員が注目するのは、
「前から出るか、口から出るか。」
です。
一般にこの手のポリープは大きいので、鼻の穴からは出ない場合があります。
そういう時には、
「口のほうに落ちますから、飲まないで出してくださいね。」
と、声をかけて切除します。
「はいっ、出してー。」
そーすると、口から小茄子見たいのが、べろっと出るわけです[emoji:e-437]。
一度注意したにもかかわらず、
「思わず、飲んじゃいました。ごちそう様でした。」
という人がいましたが、まあ飲んでもどうってことないんですけどね。
ただ、その時がっかりしたのは、職員です。
「どんな大きいのが取れるか。」
と、楽しみにしてるわけです。
看護婦さんも内視鏡の画面で見てるから様子はわかります。
「お、今度出るぞ、出るぞ。[emoji:e-414]」
という無言の期待とともに、私が鉗子でムリムリムリッと取り出すと、
これまた声にならない歓声が上がります[emoji:v-424]。
看護婦さんは患者さんに、
「ほらこんな大きいのが取れましたよ。これですっきりしますよー。」なんていいながら、自分の方がすっきりした気持ちになってる。
受付の子まで呼んで、見せてます。
患者さんはまだ手術中なので、そんなにすっきり感を味わってる余裕はないわけだ。
今日のは、まあ小さい方ですかねー。
大分、薬で小さくしましたし。
看護婦さんが
「しなびちゃいましたねー。」
と少しがっかりしてましたが、その方が患者さん楽なんだって。
「小茄子の煮浸し」って感じでした。
で、今日の方は副鼻腔に炎症がないので、回りの小さなポリープなんかを
マイクロデブリッダーでお掃除して、上顎洞自然孔をきれいにしておしまい。
マイクロデブリッダーってのは、ポリープを切除するシェーバーみたいなもんです。
前から欲しかったんだけど、ついに昨年買っちゃいました。
高い器械で、特別な点数が取れるワケじゃないんで利益は出ないんですけど
まあ、グレコでもいいんだけど、ギブソン買っちゃったーみたいな。
いや、うーん、ちょっと違うなー。
トンカツの付け合せのキャベツの千切りつくるのに包丁で刻んでもいいんだけど、
電動野菜カッターだと早くてきれいでおいしい、みたいな感じ[emoji:v-398]。
最後に鼻の中に軟膏のついたガーゼをつめます。
まあ、包帯の代わりみたいなもんです。
そーいえば、軟膏ガーゼについて忘れられない思い出があります。
以前病院に勤めてた頃、手術室で器械出しの看護婦さんに
「じゃ、最後ガーゼつめるから、軟膏のばして。」
「はーい。」
「出来たー?じゃあまずガーゼ8つ折りでちょーだい。」
「・・・・・。」(なんか苦労してやってる様子。)
「どーした。」
「先生、出来ませーん。」
「へっ、何で。」
「この大きさのガーゼ、小さくて8回も折りたためません。」
「[emoji:v-362][emoji:v-364]・・・・・。あのなー8つ折りってのは8回折るんじゃねーんだよ。
いいか、1回折ったら2つ折り、2回折ったのは4つ折り、3回折ったのを8つ折りってゆーの。」
こんな鼻に入れるガーゼ8回もたためるわけねーじゃん。[emoji:v-406]