ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.03.14

許されざる者

  診察をしてると、生活上のいろいろなことに対して専門的なアドバイスを求められることがある。お風呂に入っていいかとか、プールはどうだとか、食べ物は、遠足は、サプリメントは、酒は、タバコは等々。
 やってはいけないこと、やらないほうがいいもの、少しならいいもの、全然問題ないものなど、いろいろです。
 もちろん、医者によって、意見、見解の相違があるのも事実ですが、何でもかんでもダメ、ではなくて、どこまでなら、やっても良いか、というのを、なるべく許可してあげるのが、医者の実力だと思っています。
 ちなみに、「風邪のときにお風呂ダメ」というのは迷信で、元気ならば熱があっても、比較的元気なら入って大丈夫です。かえって体の代謝がよくなり、風邪が早く治ります
これは、全然問題ない例。
 中耳炎や副鼻腔炎のときのプールは、意見の分かれるところですが、私は急性期でない限り(滲出性中耳炎の状態なら)許可します。水泳などで、呼吸器系が強化されれば、かえってメリットになることもあります。
 QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という考え方が、医療の現場に導入されて、だいぶ医者の考え方も変わってきました。子供の頃、水泳が習えなくて、一生泳げなくなってしまえば、その人の人生にとって、かなりの損失でしょう。
 ペットについては、私自身、かつて猫を飼っていて、猫アレルギーになってしまったのですが、なるべく許してあげたいです。ウチに来ている子で、ハウスダストや、ダニ、花粉などアレルギーのいっぱいある子の母親から、相談を受けました。知り合いの家で、室内犬を飼っていて、その子も、ぜひ飼いたいと言っている。
ここで、ダメと言うことは簡単ですが、(我が家でも室内犬を飼っている関係もあり)何とか、許可してあげたい。そこで、血液検査をして、現時点では犬のアレルギーがないことを確認して、いろいろな注意事項を守ることを、約束して許可しました。
 一方、これだけはダメ、というものもあります。
 花粉症のとき、布団を外に干すこと、洗濯物を外に干すことは厳禁です。帽子や、マスク、ウインドブレーカーなどの花粉がつきにくい服装も必須です。こういったことをきちんとしないで、「花粉症が治らない」、なんてことは絶対言わないように。
 私なんか、本人は全然花粉症がないのに、家族に花粉症の者がいるので、この時期、外出するときは必ず帽子とウインドブレーカーです。しかも外で花粉を払ってから、必ず玄関で脱ぎます。メンドくさいが仕方ありません。
 タバコに関しては、私は最近きびしいです。自分が吸っていた10年くらい前までは
「んー、なるべくやめたほうが、いいんだけどねー。」
くらいのレベルだったのですが、最近はもう全然吸わないので
「タバコ吸ってんの?そりゃ、治るわけないよ。」
から
「このまま吸い続けると、死んじゃうよ。
くらいまで、脅します。自分は吸わないので、強気です。
 喫煙者の方々、最近、肩身が狭いのではないですか?
禁煙することにより、健康的にも、経済的にも、社会的にも、家族的にも、また地球環境的にもいことばかりです。当院、禁煙外来に一度、ご相談ください。たくさんの、成功者が出ています。
(アー、でも今月花粉症で忙しいから、来月以降のほうが、ゆっくりお話できるかも・・・と言うのは、自分勝手?)
 まあ、プロの目から見ると、世間一般での常識が、必ずしも医学的に正しくない場合もあるので、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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