ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.01.25

2009年インフルエンザ闘病記(続き)

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 さて、一夜明けて、ナンカ体が痛いなー、と熱を測ると38・2度。
 熱が出た、ダメだ、とういうことで、外来はお休み。
水曜日は午前中だけなので、診療制限をして副院長にお願い。
幸い、手術も入ってなかった。
 何とか朝飯食って、タミフル飲んでひたすら寝る。
ともかく、食って寝るしかないのよ、治療といえば。
モノがインフルエンザなら、注射や点滴があるじゃなし、
ただひたすら体が抗体を増産して、ウイルスを駆逐するのを待つばかり。
そして、タミフルがウイルスの増殖をストップしてくれれば、
あとはそのウイルスだけ処理すればお終い、なはずだ。
 ゆっくり本でも読むかと、思ったが、それどこじゃない。
体も頭も痛いし、苦しくて体の置き場もない感じ。
ただただ、布団をかぶってヒーヒーいってました。
 ところが、昼になっても、夕になっても熱が下がらず。
ついに38・9度まで。
夜は風呂に入る元気も出ず、そのまま寝たが1~2時間おきに目が覚める。
翌、木曜日も38・4度。
で、その日も休み。
 医者になって25年、病気で仕事を休んだことは多分10回もないはず。
しかも、2日以上休んだのは、医者になって2年目に水ぼうそうになった時以来では・・・。
水ぼうそうやインフルエンザは患者さんに感染っちゃうので
腰痛症の時みたいに、薬で抑えて外来ってわけにもいかないし。
 それにしても、この治らなさは、一体、どうなっちゃったのだ。
少なくとも、タミフルは効いてないようだ。
5年前のときは、診断ついてタミフル飲んだら翌朝はもう何ともなかった。
 そこで、ははあ、Aソ連型耐性株だな、これは、と気づいた。
 インフルエンザにはA型、B型があるのは皆さんご存知のとおり。
その中にも細かい分類があるが、A型には「香港型」と「ソ連型」という代表的な株があります。
そのうち、「ソ連型」の方に、今年タミフル耐性の株が多くを占めるという厚労省の報告がありました。
 リレンザにしときゃ良かった。
もう遅い。
タミフルにしろリレンザにしろ、ウイルスの増殖を抑える薬なので、初期に使わなければ意味がない。
 それにしても、私の抗体は、どーした。やけに仕事が遅いぞ。
ソ連だろうが、香港だろうが、北朝鮮だろうが私の体にはいっぱい抗体の備蓄があったはずだが・・・。
やっぱ、歳のせいか・・・。
 というわけで、たっぷり2日半も休んで、金曜日には熱も下がったので外来に出ましたが、
体はフラフラ。毎日食べるのはしっかり食べて、ひたすら寝てたのに体重はかえって減っていた。
もちろん、患者さんに万一感染ってしまうと申し訳ないので、
新型インフルエンザ用に当院に備えてあったN95マスクという、特殊なマスクを1日中かけてました。
 何とか、回復しましたが、大変な経験をしました。
それにしても、耐性ウイルス、困りましたね。
 それもこれも、きちんとタミフルを使ってこなかったことのツケでしょう。
横流ししたり、漠然とだらだら飲んだり。
中でも、家族にインフルエンザ感染者が出たら、予防で全員1日1カプセル飲みましょうなんて、
馬鹿なこと言う医者もいたらしい。
(予防投与は健常者には、しちゃだめですよ。)
そんなことするから耐性化が進んじゃったんでしょう。
タミフル、いい薬だったのに、残念です。
まあ、香港型や、B型には依然するどく効きますので、まだまだお世話になりますが。
 今後は自分の抗体を過信せず、B型にかかんないように、毎日、摂生に努めます。
普段の外来も、この時期くらいはマスクしとくかなー。

1件のコメント

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    きました。大変でしたね。ぼくはタミフルカプセルが飲みづらいので、リレンザ派です。
    鼻汁がでてなんかやな感じと思ったら予防でリレンザやってます。やはりワクチンだけでは防げないですからね。今年は麻黄附子細辛湯にもお世話になりました。
    タミフル・リレンザ切れたら麻黄湯の処方もおすすめです。

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