ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2012.04.24

自己嫌悪

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 先日のお昼の話である。
 ワタシは昼飯を食おうと一人でとある食堂(定食屋)に入った。
 テーブルが4つのその店では、
30代のサラリーマン風の男性が一人ラーメンを食べており、
別のテーブルに60代くらいの男性が一人食事中、
もう一つのテーブルには70過ぎとみられる老夫婦がちょうど食事を終えたところであった。
 ワタシが席に着くときに立ちあがったそのお爺ちゃんに、
奥さんが声をかけた。
 「あんた、まだ、食事中の人がいるんだからやめときなよ。」
 お爺ちゃんは灰皿を取りに立ったのだった。
 ためらうお爺ちゃんに、繰り返し説得し、たしなめる奥さん。
 メニューを見ながら事の成り行きをうかがっていたが
内心、ほっとしたワタシ。
 ところがそこに、別のテーブルの60代の男性の方が
「いや、オレは、別にいいよ。」
 と、声をかけた。
 「え、ああ、そうですか、じゃあ・・・」
 と、いったんは灰皿を置きかけた老人は再び灰皿に手を伸ばす。
 「でも、ほら、食事中だから。」
 と、奥さん。
 するとオジサン、
 「いいよ、オレも吸うから。」
 その一言で、お爺ちゃんは煙草に火をつけてしまった。
 他の二人の意見はどうなんだ。
(ワタシはまだ食事中じゃなかったけど。)
 おかげで、ワタシは食事前に臭い煙を吸わされる羽目になってしまったのだ。
 30代のサラリーマンはラーメンをすするとすぐに店を出てしまった。
 タバコを吸うお爺ちゃんに、その男性は、
「いやあ、(自由にタバコが吸えないなんて)まったく、妙な時代になっちゃったねえ。」
 などと言っている。
 (この時代に公共の場でタバコ吸う方がおかしいだろー。)
 背中を向けて座っていたワタシは何か言おうかさんざん迷ったが、
結局泣き寝入りしてしまった。
 こんな時、先日禁煙学会で講演を聴いた林望先生は、
いつも持ち歩いている禁煙マークのついたうちわを取り出してパタパタやるそうだ。
 そのあとで、案の定、食後にタバコを吸い始めたオジサンとお店のご主人との会話を聴くと
その「タバコいいよ」と言ったオジサンは喘息で
医者からタバコをやめるように言われてるそうだ。
(思わずその主治医に同情してしまった。)
 そういえば、痰が絡んだようなヒドイ咳をしている。
 おそらく、すでにCOPDも発症しているようだ。
 ったく、手前で勝手に死ぬのはいいが、
ほかの非喫煙者まで巻き込まないでもらいたい。
 いや、その人の医療費だって我々国民全体の負担でまかなってるのではないか。
 と思うと、何も言えなかった自分が非常に情けなく、
ああ、まだ禁煙専門医としてはまだまだなあと自戒するのだった。
 やはり、足利市も条例でも何でも作って、
早く街の禁煙を進めるべきでしょうね。
 ねっ、大豆生田さん。
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