ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.04.23

溶連菌感染症

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 お昼休みは、学校検診で梁田小へ行く。
小学校のときは、助手に職員一人お手伝いをお願いしてるので、きょうはレイカちゃんとドライブだ。
せっかく天気がいいので、S2000をフル・オープンにして行く[emoji:v-278]。
 「あー、何で、こんな天気のいい日に学校検診なんだー。」[emoji:v-406]
問題この言葉を叫んだときの主人公の気持ちを述べなさい。
解答:この叫びには二つの意味があります。
一つ、「こんな、天気のいい、気持ちのいい日に、昼休みまで仕事したくねーよ。」これは、簡単です。しかし、もう一つの意味が隠されています。
二つめ、「こんな天気のいい日の午後に小学生の検診をしたら、みんな、特に男の子は汗びっしょりなので、検診をすると手がヌルヌルベトベトになるので、いやだ。」 ちょっと、難しかったでしょうか。でも、一回経験すればわかります。
今日なんかまだいいほうで、5月の検診になると大変です。
 しかし、なんだって、小学生は、自分が汗をかいてるのに気づかないんでしょう[emoji:v-356]。
汗だくになって、でも長袖のトレーナーなんか着てて、
「おい。暑いだろー。」
と声をかけると、びっくりして
「いや、別に。」
いや、別にったって、赤白帽、ぬれて色変わってるよ[emoji:v-388]。
 今日は、検診中になんと溶連菌感染症の子がいました。
以前述べたように、検診はすごいスピードで診るので
(何しろ昼休みの間に300人診なきゃいけない)
口の中診てるのはせいぜい1秒くらい。
次々に診ていって、「ん?」という所見が。子供に尋ねます。
「熱とか、出ていなかった?」
すかさず担任が
「この子、昨日早退してます。」
「何か、親から連絡ありましたか?」
「いえ、何も。」
「この子とその前の子(双子の兄弟でした)、多分溶連菌だから、すぐ耳鼻科に行くように親に連絡してください。」
 それで、帰ったら、その子たちと親が、ウチに受診しました。
結果は、溶連菌感染症。
昨日、熱が出て、小児科に行って風邪といわれて、薬(抗生物質を含む)が出て、
熱が下がったので今日学校に来ちゃったようです。
 まあ、偶然とはいえ、溶連菌がわかってよかったね。
それにしても、小児科、もっとちゃんと診ろよ[emoji:e-262]。
まあ、耳鼻科はクリニカルライトとというハロゲンやキセノンの明るいヘッドランプで診ているのに対し、
単3電池のペンライトでは、のどの所見を見るのはなかなか難しいとは思うが
俺が、一瞬だけ診てわかるくらいの所見を見落とさないで欲しい。
 溶連菌は、学校保険法でさだめられた「学校伝染病」ですが、
菌の残存を防ぐため10日から2週間抗生物質を飲みます。
菌が残ると、習慣性へんとう炎や腎臓病の原因になります。
 抗生物質が効くので、飲み始めるとすぐ熱が下がりますが、3,4日でやめてはいけないわけです。
小児科の先生が、風邪で抗生物質を出したことがそもそも間違いです[emoji:v-292]。
風邪は、ウイルス性疾患ですから、熱が39度あっても40度あっても普通は抗生物質は使いません。
「おたふくかぜ」に「みずぼうそう」の薬を出すようなものです。
もし、小児科の先生が抗生物質を出さなかったら、
熱が下がらず、もう一回小児科に受診したときに正しい診断ができたかもしれませんね。
 学校検診は、だいたい慢性疾患を対象にしてるので、こういうのを見つけるのは珍しいですねー。
そもそも溶連菌感染症は「出席停止」ですから、学校に来てるはずないです。 
 んで、3時に検診から戻ると、そのまま午後の外来。
そして、夜は日赤に行って、症例検討会だー。今日は休む間がない[emoji:v-393]。

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