新型タバコの戦略
昨日の話の続きであるが、
「Juul」は若者にアピールする販売戦略をとり、
それがまんまと当たり、全米で大ヒットとなった。
アメリカのタバコ会社のフィリップモリスはジュール・ラブズに対し、
128億ドルもの投資を行ったそうだ。
アイコスがアメリカ国内で販売できなかった同社は、
「Juul」によるニコチン依存症患者増加に支援した形だ。
ところが、そのためニコチン依存になる若者が急増したり、
こんな事件が報じられたりした。
そんななか、サンフランシスコ市議会は6月25日、
「電子タバコ販売禁止条例」を可決した。
サンフランシスコ市は「Juul」を販売する「ジュール・ラブズ」の本拠地である。
ちなみに通常のタバコや、マリファナは引き続き「合法」だそうだ。
そして、わが国はどうか。
先進国の中で、もっともタバコに「寛容な」わが国は、
フィリップモリス社が社運をかけた加熱式タバコ「IQOS」の
市場人体実験を買って出て、
一時は世界の96%のアイコスが日本で販売されていた。
タバコ広告の規制もゆるゆるの日本は、
他のタバコ会社にとっても格好の市場である。
この広告が、恐ろしい薬物依存症を引き起こす商品の広告といえるでしょうか。
もちろん、かつて国有企業、
今も自民党のタバコ議員と深く結び付き、
官僚の最大の天下り先のひとつであるJTも負けてはいない。
若者の未来を台無しにする商品のコピーがこれである。
女性は、むろん、重要なターゲットだ。
そして、若者をニコチン依存症にするために
タバコ会社はこんなキャンペーンを打ってきた。
肝心なことは小さい字で控えめに書いてあるが
「ないわけではない」ではなく「間違いなくある」のです。
なので、今年のサマソニではこんなブースがありました。
マークを見てわかるように、紙巻きタバコはダメ、
アイコスはOKというブースです。
なんとアイコスの無料レンタルもして、あらたな依存症患者を作り出そうという。
まるで、新宿の路地裏で若者に覚醒剤を売りつけて、
シャブ中にして、のちのち搾り取ろうというヤクザの手口のよう。
会場の真ん中でラッキーストライクがタバコ売ってるフジロックも問題だが、
タバコを吸わない人はここには立ちよらないので、
ある意味アイコス無料レンタルの方が罪が深いのかもしれない。
新型タバコはタールなどは減少していますが、
他の有害物質については紙巻きタバコより多いものもあり、
また、ニコチンの量は同等です。
ニコチンはおそろしい依存症をもたらす物質です。
発がん性は認められていませんが、
血管内皮機能を低下させ動脈硬化を引きおこし、
脳血管障害や心筋梗塞のリスクを高めます。
吸い終われば、吸い殻を捨てておしまいの紙巻きタバコに比べ、
お金を出して買ったデバイスが手元に残るのも新型タバコの問題点だ。
やめたいと思っても高価な機器を捨てるのは気が引けるし、
手元にあれば、また何か入れて吸ってみたくなります。
依存性を助長する要素があるわけです。
新型タバコは「有害」ですので
くれぐれもタバコ会社のイメージ戦略に惑わされないように。
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