ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.08.11

新しい創傷治療

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 さて、その後の指のケガだが、おかげさまでだいぶ良くなってきました。
 切り傷なんて甘く見ていて、ホント大変な目にあいました。
 感染創なんて消毒しとけば治る、などと思ってたんですが・・・。
実はその後も、平坦な経過ではありませんでした。
 以前お話したように、プーさんの助けを借りて治療してたわけですが、
(「助けて、プーさん」参照。)
どうも、いまひとつ良くならない。
 一体、感染創は、どうすりゃいいの、ってことで妻とインターネットでカチカチ検索してみると・・・
「これだ!」
というサイトを発見。
そしたら、妻も同時に同じサイトを自分のパソコンで読んでいた。
これです
新しい創傷治療
 おお、これはすごい。
読んでいくうちに、おお、うんうん、そうだそうだ、と納得の嵐。
特に、外科医になって長年疑問に思ってたことが、キレイに解決されてる。
術後の消毒ってナンカおかしいなーと研修医の頃からうすうす感じていた。
 最近、消毒の概念が変わったということや、
湿潤療法、ラップ療法なんて言葉自体は、耳に入ってた。
 当院でも、術後の消毒が変わり、最近は以前のような処置はしなくなっていたが・・・・。
 ここまで、徹底してるとは・・・・。
 曰く、
 傷は消毒してはいけない。
 傷をガーゼで覆ってはいけない。
 傷は乾かさずに湿潤状態に置く。
 傷は、水でどんどん洗う。
 傷の無菌操作はさしたる意味がない。
 今まで、教わったことは何だったんだー。
 しかし、この先生の文章を読むとその理論は医学的に納得できることばかり。
 さっそく、治療方針を改め、消毒をやめ、生理食塩水の洗浄と、
湿潤型の創傷被覆剤に切り替えた。
ネットでは洗浄は「水道水」でいいと書いてあったのですが、
最初はさすがに抵抗があり、生食を使いましたが、
今は、水道で洗ってます。
感染に対しては抗生剤の点滴を3日間。
 傷は1日ごとに目にみえて良くなりました。
 何より、治療が楽だ、痛くないし。
プーさんなくても大丈夫♪
 ハマリやすい妻は、この先生の本をアマゾンで3冊も買ってしまいました。
 この先生、形成外科の認定専門医だったらしいんですけど、
この治療法を発表した時、形成外科の学会を牛耳る教授に
「こんな、治療をしてると形成外科医と認めるわけにいかない。」
と、恫喝され、専門医を返上しちゃったそうな・・・・。
 おおー、何てカッコいい!
 「ロックな形成外科医」ですな。

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