敵地で蔚山を撃破し、準々決勝へ
学会で名古屋に行ってた関係で、試合を見たのは翌日の夜であった。
ホームゲームで1-2と2点のアウェイゴールを献上したレッズは、
2点差以上、あるいは3点以上取っての勝利が突破条件。
これは、かなりキビシイという戦前予想であった。
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2019年アジアチャンピオンズリーグ ノックアウトステージRd.16 第2戦
蔚山現代 0-3 浦和レッズ ()
(前半 0-1)
(後半 0-2)
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しかし、蓋を開けると、戦前にイメージしていた状況とは多少違う点が明らかになった。
韓国サポーターは日本チームに対して刷り込まれた敵対心を持っており、
アウェイゲームでは、そのスタジアムの雰囲気が、
アウェイチームにとってかなりのプレッシャーになることが予想されたが、
なんと、スタジアムはガラガラ。
先日のマッチデープログラムの情報で、
蔚山現代はチームとしては強豪だが、集客力がなく、
熱烈なサポーターはあまりいない、との情報があったが、
これはあまりに寂しすぎる。
レッズの場合、ウィークデイとはいえ天皇杯の2回戦でも
もうちょっとお客さんはいるんじゃないかと思う。
レッズのサポーターは例によって、かなりの数が韓国入りしており、
勢いでは完全に圧倒していた。
くわえて監督は、アウェイゴールを許さず、
逃げ切ろうという守備的作戦を選択した。
自陣に引きこもり徹底的にレッズの攻撃からゴールを守る作戦だ。
しかし、今のレッズはこの間までの点の取れないレッズとは違う。
大槻組長に率いられた戦闘集団だ。
「ぜったい、敵のタマ獲って来いや。いてもうたれ。」
(本当にそういったかどうかは知らないが)
この掛け声に、次々と積極的な攻撃を仕掛けるレッズ。
蔚山はそれほどカウンターを狙ってくるわけでは無く、
ともかくグローブを上げて、ガードを固める構え。
そんな中、相手ガードをかいくぐって相手顔面に強烈なパンチをヒットさせたのは
浦和のエース、興梠慎三であった。
とりあえず、最初のダウンを奪った形。
トータルスコアは1-1のイーブンだが、
アウェイゴールの関係で、まだこのままではレッズは敗退である。
組長の目はキビシイ。
しかし、状況は大きく異なる。
次の1点が浦和に入れば、2-0で勝ち抜け、
その後1点取られても延長になるだけである。
しかし、蔚山の監督は戦術を変えなかった。
アウェイゴールにかけたのだ。
しかし、浦和に有利な条件がもう一つあった。
試合開始後から激しく降り続くこの雨である。
雨のゲームはミスが起こりやすく、守るチームは神経を使い、
攻めるチームに有利である。
よく粘った、蔚山であるが、後半35分に貴重な2点目を奪たのは
またしても、この男、30番の興梠であった。
これで、2回目のダウンを奪い、勝利の天秤は大きく浦和の方に傾いた。
次に1点を取られても、延長戦になるだけ。
大槻組長は、雨で曇るメガネに飲み水用のペットボトルの水をかけていたが、
とうとうメガネをとってしまった。
迫力あるなあ。
そして、組長の取った作戦は、ひたすらこの点差を守り切ることではなく、
ある程度バランスをとったうえで、カウンターで相手を脅かせ、というものであった。
そのために起用したのが、杉本健勇である。
そして、杉本はその仕事をこなした。
杉本の丁寧な落としに、
勝負を決定づけるシュートを決めたのが、エヴェルトンであった。
後半43分のゴールで相手は完全にノックアウト。
蔚山が勝つためにはロスタイムを入れて5分程度の残り時間で
3点を取らなければならないからである。
ここからは、
さながら立ち上がってファイティングポーズをとることができないボクサーに、
レフェリーが目の前で10カウントをとるようなものである。
試合は、このまま終了。
韓国の選手やサポーターがベンチや観客席から飛び出して
暴力行為を仕掛けることもなかった。
かくして、劇的な逆転勝利でベスト8に勝ち上がった浦和レッズ。
このラウンド16をトータル180分のゲームと考えれば、
大槻組長の不敗神話は、まだ続いているともいえる。
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