ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2016.05.29

学会参加のスタンス

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 専門医のブログについて大手医療サイトの投稿に取り上げられ、

また、その投稿された先生からコメントもいただき、

改めて、考えてみたことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あんなに並んでくるしい思いをして、

妻とワタシは終始プンスカ怒っていたかというと、さにあらず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやー、こりゃ、ヒドイねー、ヒドすぎて笑っちゃうねー、

担当のヒトは青くなってるよねー、カワイソー(^^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 などと、この混乱を二人して結構楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、いつまでもこのままでは困るんですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実は、学会に対する、ワタシのスタンスは若いころと違ってきている。

 

 

 

 

 

 

 

 研修医、勤務医のころは学会といえば、教授や先輩の先生に

今度〇〇学会があるから、そこで何か発表しろ、とか、

これこれをまとめて、〇×学会に応募しなさい、とかいわれ

四苦八苦してナントカ症例をまとめ、文献検索をし、スライドを作って学会で発表。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 病院や医局から宿泊、交通費の類は一切出ないので、

少ないサラリーから一番安いホテルに泊まり

発表前夜は原稿をチェックし、フロアから意地悪な質問が来ないかおびえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その代わり、発表終わっちまえば、学会ほったらかしで、観光に出て、

夜は同期と飲みあるき、2次会はお姉ちゃんのいる店なんかで遊んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが、開業してからは学会が重要な情報源。

 

 

 

 

 

 

 

 

 医局にいれば刻々変わる医学会の最新の知見も自然と身につくが、

開業してしまうと自ら出向かないと時代に取り残される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 医局にいたころバカにしてた おじいちゃん開業医と同じになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、当初は開業間もなく経営も安定せず、何か経営や集患に役だつことはないか、

ということも重要なテーマ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その一方、まだ患者さんの定着しない医院を休診にして出かけることにも一抹の不安があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、時間の限り学会で話を聴いて役立てたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところが、最近、また少しだけ違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 患者さんは結構多いので、今のまま学会など行かなくても

少なくとも経営的には大丈夫なような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、学会で良い講演を聴くと楽しいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回、名古屋でも妻とその話をしたのだが、要するに「知的好奇心」が満足する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学会の話の中には、まだ、推論の段階だが、こんな可能性があるんじゃないか、

このデータからはこういうことが、将来証明される可能性がある、

などという発表もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これらは、推論なので、例えば、よし、明日からあの薬を使ってみようとか

あの手術を今度試してみよう、とかいうわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、毎日、何年も診療を続けていろいろな経験や疑問があると、

あっ、あれはこう解釈できるのか、

おー、あの時のあれはコイツだったのかも

などとその講演から急に腑に落ちることがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あたかも、ホームズや金田一耕助が、

読者が見過ごしていた「伏線」を手掛かりに真犯人を突き止めたときのような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、快感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もともと、診断はある意味「謎解き」であり、シャーロック・ホームズのモデルが

コナン・ドイルが師事した眼科医であったことは有名な話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、話は戻るが、

そんな楽しい思いをしに出かける学会のために

医院を休診にして、患者さんに迷惑かけて申し訳ない、という後ろめたさがあり、

今度、専門医制度きびしくなって大変なんですよねー、

というのはひょっとすると半分くらい言い訳である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もちろん、興味本位ということばかりではなく、

その考えや知見は当院の診断や治療の進歩にかなり反映されてると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いかに経営的に問題なくても、

あの先生、いまだにあんなことしてるよ、と思われるのは大変クヤシイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 診療の質は常に最新の状態に更新してないと自分がイヤなので。

(しかし、無理や更新させられたウインドウ10はいまだに、不具合が・・・・(-_-;))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学会のあと急に処方が変わったりするので、薬局の人はまた、何か聞いてきたな、と思うようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、別に家族でホテル三日月に行っても、そこで会議してましたといいはる、

なんていう話とは違います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、また来月、6月23,24日、耳鼻咽喉科臨床学会で

休診がありますが、なにとぞご容赦ください。m(__)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱ、言い訳?

 

 

 

 

 

 

 

 

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