ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.10.08

ドイツ語由来の俗語

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日本の近代医学はドイツをお手本にした部分が多いので

ワレワレ世代より前のお医者さんはドイツ語を多用しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院で使われる用語にはドイツ語由来が多い。

オペもそうですが、

白血球数はワイセ、

これはドイツ語のWeiße Blutkörperchenに由来します。

英語だとWhite Blood Cellなので、

WBCと記載する場合もあります。

世界ボクシング協議会と混同します。

最近はワールドベースボールクラシックなんてのもあるらしいですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血液はブルート、血圧はドゥルック、脈はプルス、

看護師さんもよく使ってました。

おしっこはハルン、ウンチはコート、

ハルンちゃんとコウトくんのきょうだいがいたらちょっと、ハズカシイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、電子カルテにはある程度この変換がプログラムされているらしく

「ワイセ」とうって変換すると「白血球数」が一番上に変換されます。

「ローテ」は「赤血球数」で変換されますが、

「ドゥルック」は出ません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死亡するがsterbenステルベンなので

ステる、ステった、ステりそうなどと使います。

こうなるともはやドイツ語ではありません。

たぶん、全国の病院共通。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 組織が死んでしまう「壊死(えし)」のことは

ネクローゼnekrose(独)から、ネクロったといいますが、

東京医大から来た先生はネクったといってましたので、

大学によって「方言」があるのかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、かつては、ドイツ語は若者言葉、というか

旧制高校や大学生の間で流行しました。

明治から昭和初期にかけてのことです。

美人のことを「schön:美しい」から「シャン」といったり、

派生語で後ろから見て美人を「バックシャン」。

お金が「Gel」なので、お金がないことを「ゲルがピンチだ」ということで

「ゲルピン」といったりしました。

バックやピンチは英語由来なのでいい加減、といえばいい加減ですが、

病院でよく使う「マーゲンチューブ」も

ドイツ語の「Magen:胃」と英語の組み合わせですね。

サッカーのダブルボランチも英語とポルトガル語の組み合わせだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドイツ語俗語はほとんどすたれたが、

そんななか、唯一残ったのが「アルバイト」でしょう。

Arbeitはもともとドイツ語では「仕事」という意味で、

「非正規雇用の労働」という意味はないですが、

日本語として定着しました。

オトナリの韓国でも「アルバイト」を同じ意味で使うそうです。

日本から輸出されたものでしょうが、

略語は「バイト」ではなく「アルバ」らしい。(笑)

大阪では「マクドナルド」のことを「マック」ではなく

「マクド」というそうだが・・・(^^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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