ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2018.12.13

「同じです。」

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 初診ではなく、再診の患者さんを診察するとき

「その後、いかがですか?」

とか

「今は、どんな感じですか?」

と、症状を尋ねます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すると、結構多いのが

「同じです。」

という答え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カルテには「発熱、のどの痛み、セキは出ない」

など書いてあるので、

「熱が、まだあるんですか?」

と訊くと、

「いや、熱はもうありません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「のどが痛いですか?」

と、尋ねると、

「いえ、今は、のどは痛くありませんが、セキが出ます・」

などと返答がかえってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、医者の側から見たら全然「同じ」じゃないんですけど、

患者さんの側としては、

「風邪でこの病院にかかったが、今も風邪が治ってないので、同じ。」

ということなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが、医者になってしばらくわからずに苦労しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、メマイやアレルギー性鼻炎などの慢性疾患で、

1,2カ月に一回薬をもらいに来る患者さんでも、

「どんな具合ですか?」

と訊くと

「同じです。」

と答える方は多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これも

「同じく症状が良くならないのでクスリや治療法を変えてほしい」

といっているのか、

「同じような状態で症状が落ち着いているので同じクスリが欲しい」

と言っているのかが、なかなかわかりませんでしたが、

ほぼ後者の場合が多いことが、医者になってしばらくしてからわかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、いちいち確認はするんですけど、

うっかりすると患者さんの病状を見誤ってしまうので、

なるべく単に「同じです。」とだけいうのはやめていただきたい、というのが医者の本音です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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