ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2018.12.22

トローチください

 風邪の患者さん増えていますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風邪は基本的に上気道(ハナやノド)のウイルス感染なので、

「ほっときゃ治る」病気ではあるのですが、

中耳炎や副鼻腔炎などの合併症を起こしたり、

溶連菌感染症やインフルエンザなどの「風邪では無い」よく似た病気も含まれますので

耳鼻科で診ることも意味がないわけではありません。

(内科ではなく、耳鼻科ですよ、風邪は。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よく患者さんに「うがいをください」とか「トローチをください」

とか、言われるのですが、ほとんどの場合お断りしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、意味が無いだけでなく、

かえって症状を悪化させる可能性があるからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うがいやトローチが対象とする、口腔内には、もともと「微生物」がいます。

それは「口腔常在菌」といわれるもので、生理的に存在するものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中耳や副鼻腔が「無菌的」な場所であるのに対し、

「口腔」「鼻腔」は菌がいる場所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところが、イソジンなどのうがい薬、お医者さんで処方されるトローチには

「殺菌的な成分」が含まれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これらは、すでに粘膜内に入ってしまった風邪のウイルスには無効です。

そればかりか、もともと口腔内にいる雑菌を減らし、

新たなる微生物の侵入に対する抵抗力を奪ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2005年の京都大学の大規模研究で、

水うがいは多少の風邪の予防効果があるが、

ポピドンヨード剤のうがいはまったく効果がない、

というデータが出ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそもウイルスは20分以内には粘膜に侵入しちゃうので

個人的には水うがいも、どうかな、と思うのですが、

まあ、虫歯の予防にはなるかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 てなわけで、当院ではポピドンヨードのうがいは基本的に出しません。

アズノールのうがいはまあ、気分がイイという人には乞われれば出しますが、

本音ではあまり出したくありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同様にトローチも、ください、というヒトには、

「ホールズ」の方が効きますよ、と説明します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、うがいなどの瞬間的な薬剤と粘膜の接触では

殺菌作用はほとんど発揮されないと思いますが、

それはまあ「意味が無い」ということにもなるわけで。

医療費の無駄に他ならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風邪の予防には手洗いとじゅうぶんな睡眠、マスクです。

マスクは細菌やウイルスの侵入を避けるためではなく、

ハナやノドの粘膜の保温と加湿が目的です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ムカシ、勤務医のころイソジン大好きなおばあちゃんがいて、

うがいはもとより、痛いところに塗ってる(!)とかいってたなあ。

そういや、正露丸を歯に詰めて虫歯が治る、って話もあったような・・・・。

 

 


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