ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.01.16

インフルエンザ治療薬2018~2019シーズン

 年明けから増えてきたインフルエンザは

ついに流行期に入ったようで、連日2ケタ台の陽性者が出るようになってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、インフルエンザの治療薬ですが、

今シーズンからちょっと様変わりした部分もあるので

整理します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、タミフルですが、何シーズンか前に0歳代での使用が認められたのに続き、

今シーズンからいままで使用見合わせであった10歳代での使用認可が出ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異常行動との因果関係が証明できなかったためで、

これにより全世代での使用ができるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体重37.5キログラム以上ではカプセルを、それ以下ではドライシロップ体重割りを

1日2回5日間内服します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吸入薬としてリレンザ、イナビルがあり、

リレンザは成人、小児ともに同量で1日2回5日間、

イナビルは10歳以上は20mgの粉末剤を2個、

10歳未満は1つ吸入、ともに1回きりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 点滴のラピアクタは診療所では通常使いませんので割愛します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、今シーズンからもう一種類、ゾフルーザという内服薬が認可になりました。

内服薬で1回飲めば済む、というもの。

用量はややややこしく、体重割りで

10kg以上20kg未満では10mg(10mg1錠)

20kg以上40kg未満では20mg(20mg1錠)

40kg以上80kg未満では40mg(20mg2錠)

80kg以上では80mg(20mg4錠)

と、なっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、これらをどう使い分けるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、小児ですが、未就学児など小さい子は吸入がムズカシイですし、

錠剤も飲めないので、

タミフルドライシロップが第一選択でしょう。

ゾフルーザの顆粒が製造認可を取得し発売準備中ですが、まだ発売されていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小学生になると錠剤が飲めたり、吸入できる場合は

ゾフルーザ、リレンザ、イナビルも選択できます。

ただし、リレンザもイナビルもパウダーを吸入するので

セキが激しい子供には向きません。

パウダー吸入は多少のテクニックを必要とするので

吸入も1回失敗すると終わりのイナビルよりはリレンザの方が安心です。

また、リレンザは用量が大人と子供で変わらないので、

体格のいい子なんか特にリレンザの方が安心かな。

イナビルは体重割りでなく、年齢で用量が変わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大きな子でタミフルドライシロップの量がやたら多くなっちゃう子は

ゾフルーザでもいいかもしれません。

タミフルはカプセルだが、ゾフルーザは錠剤なので

カプセルは飲めないが錠剤なら、という場合も対応可です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大人は、それこそどれでもいいのですが、

1回で済む方が楽は楽です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただし、ここで気になるのが薬の価格。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 薬価比較で行くと

■ ゾフルーザ

(1回内服で終了。2錠の場合約4800円 3割負担で約1500円)

体重40~80kgの大人が多いと思いますが、

80kg以上のヒトではこの倍、9600円 3割 3割負担で3000円ほどかかる計算です。

■イナビル

(1回吸入で終了。約4300円 3割負担で約1300円)

■リレンザ

(1日2回5日間、全10回吸入。約3000円 3割負担で約900円)

■タミフル

(1日2回5日間、全10回内服。約2700円 3割負担で約800円)

タミフルはジェネリックが出たので、さらに安く自己負担は400円くらいになるはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 効き目が同じで1500円と400円のクスリどっちにする、

といわれたらちょっと考えますね。

体重が重いヒトにいたっては3000円と400円と、

自己負担の薬代だけで2600円とかなりの違い。 

1回で済んでも、どうせ5日間は会社も学校も行けないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、ゾフルーザは新薬なので今後思わぬ副作用や

耐性ウイルスが出現するかもしれません。

実際にタミフルに比べてウイルス変異率が著しく高いというデータがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 基本的には健常な人ならば、インフルエンザは自然治癒する病気ですから、

ハイリスクの患者さんのためにウイルスの耐性化を広げないようにする、

という考え方も、現場で診療する医師にとっては気にかけるべき問題でしょうね。

 

 

 

 

 


コメントはまだありません

コメント/トラックバック トラックバック用URL:

管理人にのみ公開されます

医療系をまとめました。
2019年2月
« 1月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728  
最近の投稿 最近のコメントカテゴリー アーカイブ